三井住友銀による「日興証券支配」完了 ゴールは「大和証券とも一体化」?
2013.05.01 11:40
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「銀証連携」が個人向け営業にも広がる
新たにSMBC日興証券社長となった久保氏は、「昭和51年住友銀行入行組」で、現在の三井住友銀行頭取の国部毅氏(2011年4月就任)と同期。頭取レースを国部氏と争ったともされる切れ者で、裏方として日興買収に奔走したことでも知られる。久保氏はなお、証券部門の強化に意欲を持つとされる。
SMBC日興証券は久保新体制のもとで「銀証連携」を加速させる。これまでは主に法人向けの「銀証連携」を進めてきたが、個人向け営業の一体化を進める。まずは銀行、証券に専門部署を設置。そのうえで、事前に同意を得た個人客に対して、銀行、証券双方から金融商品の説明、勧誘を進める。例えば、上場投資信託(ETF)などの証券取引を求める銀行の顧客に証券会社の担当者が対応。一方で証券会社の顧客に銀行の担当者が遺言信託などを説明するといった具合だ。
三井住友サイドのゴールは「大和とも一体化」と見る向きが多いが、大和側の銀行アレルギーも強い。そうした中、久保氏の証券社長就任でどう事態が動くかに金融界は注目している。