「スマートフォンからガラパゴス携帯に替えたら正気にかえり、生活が改善した」―――こんなブログ記事が、ネットで話題を呼んでいる。スマホに比べて機能の制限されたガラケーを使うことで、「いわゆるネット中毒」が治ったという内容だ。「一理あるかも。外で暇な時って大概twitter開くけど大して意味無いよねえ」「おもしろいけど、スマホやネットから離れたいと思ってないしな…」「半日Twitterやfacebookを見なくても何も困らない」話題になっているのはサラリーマン兼ライターの「ココロ社」の2013年4月30日付の記事だ。スマートフォンを使うようになってから、もとからの「ネット中毒」に拍車がかり、Twitter(ツイッター)を5分おきにチェックしていた。ところが、ガラケーに変えたところ最初の1週間こそ「スマートでない電話の使いにくさに苛立ったり、ネットを見たいという欲求に苦しんだりしたが、次第に携帯を使わなくなり、(1)よく眠れるようになった(2)空いた時間での読書量が飛躍的に増えた(3)周囲やよく見えるようになった、などの効果が現れたという。「一度読書の習慣がついてしまうと、ネットを見たいという気持ちもあまり発生しなくなりました。書籍は、Twitterやfacebookの気軽な投稿とは違い、幾度もの企画会議を経て出版が決まり、推敲も何度もされた文章なので、当然ですが質が高いのです。しかも半日Twitterやfacebookを見なくても何も困らないという、これまた当然の事実に気づきました」ツイッターなどのインターネット上でも、「ガラケーメインに戻すことを検討しようかなあとは、確かに思わされました」「私もタブレット持ち歩くようになってから電車での読書量すごく減ってしまった・・・」「iPhoneを購入して早5年、とにかく、本を読まなくなった…」「これはあるかも。朝の目覚ましを消して間髪いれずにスマホでニュースチェック。まさにスマホ中毒」と賛同する人は多い。一方で、「ガラケーにしなくても、オフラインの生活をすれば変えられる」「なんでも使い方の問題かと・・・リアルが忙しければスマホいじってる暇もなくなるし。ツイだって全部見るのが間違いだわ・・・(^_^;)」「自身でセーブできないので物理的なハードルを設けましたという話か」「この人半年以内にスマホに戻ってると思う。使い方だよね」とそもそもの生活態度が間違っていて、物に頼らず自分で改善すべきだと言う見方もあり、意見が分かれている。今のガラケーはネットからはじかれているITジャーナリストの井上トシユキさんは、やはりスマホはガラケーよりネット中毒になりやすいとの見方を示す。最近のスマホでは、ネットを見るにあたりデスクトップパソコンとほぼ同じことができてしまうからだそうだ。「ガラケーではデスクトップにいかないとできなかったことが、たとえば、ある程度簡単な原稿の修正とかはスマホで出来ちゃいますよね。そうやってやってるうちに、ニュースサイトみて、リンクたどって動画見て・・・」それに加えて、井上さんは「今のガラケーはネットからはじかれている」という側面も指摘する。Naver(ネイバー)や2ちゃんねるのまとめサイトの一部には、ガラケーで見られないコンテンツが出てき始めていて、ガラケーでネットをして時間をつぶそうにもつぶせないのだという。駅や喫茶店で見ていると、冒頭のブログに書かれていたような空き時間にスマホをいじるというのは多くの人にとって普通の行動といえる。井上さんによると、最近の人はスマホやネットのお陰で情報を追いかけなければならないという強迫観念にかられているため、頭を空っぽにしたいと思うときに、やはりスマホですぐ出来るゲームやまとめサイト閲覧などをしてしまうのだそうだ。「(ネット利用を)計画的にできるといいんですが、たいていの人はできないですし、(ガラケーに変えるのは)炭水化物抜いてダイエットしますかみたいな話ですよね」
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