2024年 4月 29日 (月)

脱原発で読売新聞社説に反論し、寄稿 小泉元首相のしたたかメディア戦略

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「読売の社説の批判に対して、私がどう思っているかということから始めたい」

   これに対して、小泉氏は会見の冒頭、「読売の社説の批判に対して、私がどう思っているかということから始めたい」と、わざわざ名指しで反論。「原発ゼロという方針を政治が出せば、必ずいい案を作ってくれる。官僚も識者も集め、専門家の知恵を借りて進めていくべきだ」「原発をゼロにし、原発建設に向けた費用を再生可能エネルギーに振り向ければ、様々な代替エネルギーの開発が進んでいく」「日本で核のごみの最終処分場のめどをつけられると思う方が楽観的で無責任すぎる」などと、ボルテージを上げた。

   実は小泉氏は今回の会見よりも先に読売新聞に寄稿して社説に反論している(10月19日付朝刊)。元首相が新聞の社説に反論し、寄稿までするのは異例だ。2005年8月の解散・総選挙で、、刺客を擁立した小泉氏のしたたかさを彷彿とさせる。読売が小泉氏の主張を淡々と伝え、自民党の細田博之幹事長代行が「(小泉氏には)敬意を表するが(原発ゼロは)結論として正しくない」とコメントしたとの報道にとどめたのも、今なお人気の小泉氏との全面戦争を避けたいという思いがありそうだ。

   「最終的には国民ですね。世論は軽視できない。大きな底流となっている世論をどう読むかも政治家として大事」「国民の声が、本当に原発ゼロが望ましいというのがだんだん政府に届いていけば、総理だって気づいてくると思いますよ。それが民主主義じゃないでしょうか」――。小泉氏からのそんな言葉が安倍首相を動かす気配は今のところない。

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