「出版不況」「雑誌不況」などと言われるが、今年も雑誌はたくさんの話題を提供してくれた。もちろん流行に敏感なJ-CAST家の父、母、兄(大学生)、妹(高校生)も雑誌チェックは怠らない。こたつを囲みながら、今年のネタを総ざらいしている。「SPA!」の素人グラビアから「昭和のエロス」が生まれた壇蜜さんが引っ張りだこだった(13年12月撮影)父:今年を代表する女性と言えば……母・兄・妹:壇蜜!兄:もともとは雑誌「SPA!」の素人グラビア出身。去年(2012年)から注目されていたけれど、今年に入ってから見ない日はないね。「昭和のエロス」だってさ。母:雑誌グラビアだけじゃなくて、女優としても活躍してる。「半沢直樹」(TBS系)の愛人役なんてはまり役だった。兄:あの少し棒読みなところが、余計に「愛人」っぽさが出ていてよかったよなあ。母:あんた、「愛人」なんて身近にいないでしょ。どうしてそんなこと、分かるの!妹:紅白歌合戦では「日舞」を踊るんだってさ。父:すごいな。雑誌グラビアから生まれたスターってのは久々だね。しかも、彼女の場合、スキャンダルも出なかった。兄:そこは立派だったね。でも雑誌は「スキャンダル」「スクープ」が命。スター生命を脅かすこともある。8月には週刊文春が「CHAGEandASKA」のASKAが薬物中毒だってすっぱ抜いた。妹:「シャブ&飛鳥」なんて言われていたね。名前がいじられて、CHAGEがかわいそうだった。母:でも結局、覚せい剤じゃなかったんだよね。ASKAは「アンナカ」を吸っていたんだって話している。父:アンナカ。「安息香酸ナトリウムカフェイン」の略だな。妹:すごーい。お父さん、よくそんな長い名前おぼえられたね!20年前にも「脂汗」がダラダラ兄:AKBの戸賀崎支配人の「脱法ハーブ」問題も文春が伝えたね。AKBファンにはショックだったかも。妹:ぐすん。さっきから「文春」ばっかりだけど、「新潮」はスクープがなかったの?父:あるよ。今年一番は2月にすっぱ抜いた、徳田毅衆院議員の女性スキャンダルかな。未成年との飲酒が報じられる前に、当時の国土交通・復興政務官を辞職した。妹:徳田さんって、あの?兄:そう。猪瀬都知事に5000万円を手渡した徳田さん。あの時、徳田さんがやめてなかったら「現職政務官がカネがらみで辞任」ってことになってたかもね。母:そういえば、6月には週刊文春が猪瀬さんの「元カノ」の手記を載せてた。妹:また文春だ!でも20年くらい前の話でしょ。雑誌が出た当時は「さすがに古すぎる」みたいな擁護が多かったよね。父:いま改めて読むと、わかる部分もある。たとえば自動車で事故を起こした時に「脂汗がダラダラ流れていた」とか。都議会答弁での「脂汗ダラダラ」は20年前から同じだったんだな。兄:去年12月に史上最多の433万票で当選したけど、今年は元カノに不倫を暴露され、奥さんには先立たれ、東京五輪決定で株あげたと思ったら、いつのまにか「かばん芸人」になっちゃった。母:猪瀬さんの1年間だけでドラマが作れそうね。来年の大河は「勝ち抜く力」に決まりかな。なにかとお恥ずかしい雑誌も多々あり兄:でも週刊文春もいろいろ問題を起こしたよね。「ミキティ」(安藤美姫)のアンケートとか。妹:「緊急アンケート!安藤美姫選手の出産を支持しますか?」のことね。大ヒンシュクだった。編集長が謝罪文を出した。母:文春は別の件で、イオンと対決して、店から撤去されたこともあったね。兄:原因になったのは「『中国猛毒米』偽装 イオンの大罪を暴く」って記事だね。そのあと裁判沙汰になった。妹:イオンのお店から「文春」が消えたんだって。でも何かと問題を起こした雑誌は文春だけじゃなかったでしょ。父:10月には「週刊朝日」の編集長が、セクハラで懲戒解雇になった。去年、「ハシシタ」問題で編集長が変わった後の「立て直し役」だったんだってね。兄:「週刊ヤングジャンプ」の編集長が、タクシー代踏み倒して捕まった事件もあったね。母:踏み倒したのは初乗り運賃(710円)だってよ。お酒の力って怖いよね。お兄ちゃんも気をつけなさいよ。妹:秋田書店問題なんてのもあったね。雑誌の読者プレゼントの数を水増しして、当選者がいないのにあげていることにしていた。兄:もしかして、俺がクリスマスプレゼントをもらえなかったのも?母:それはあんたの人望でしょ。消費増税の直撃が迫る母:今年の後半は、みの(もんた)さんが凄かった。「朝ズバッ」でセクハラみたいなことをしたということが問題になったと思ったら、9月に入って突然、今年2度目の夏休みに入った。そのさなかに次男が逮捕されたんだよね。兄:それからというもの、雑誌各誌で大バッシング。ころあいを見て本人は一部の雑誌で「単独インタビュー」で反撃の日々。でも、ちょっとしゃべりすぎたね。「週刊朝日」では「『せがれが受けるからよろしく頼むよ』って、僕が氏家さん(故・氏家齊一郎元日本テレビ会長)に言ってますからね」なんてコネ入社を暴露したりして。父:「みのネタ」がひと区切りついたあと、文春や新潮なんかは「嫌韓」「嫌中」路線に舵を切ったね。部数が伸びそうな方へ進むってことだな。兄:「嫌韓」「嫌中」はこれまでネット中心だったけど、今年は雑誌にも広がった。母:そういえば来年(2014年)4月から、消費税が8%に上がるよね。雑誌も高くなるのかしら?父:まだ正式な発表はされてないけど、たぶん上がるんだろうね。妹:「雑誌不況」って言われて久しいけど、値上げしちゃうとますます買わなくなっちゃうね。元々が安いから、10円高くなるだけで、すごく値上げしたように思える。兄:そんな「雑誌不況」のなかで気を吐いているのが、「週刊現代」と「週刊ポスト」。どっちも年配者向けのセックス特集を続けている。部数減の雑誌が多い中で、とりあえず部数を維持しているらしい。「現代」が「死ぬまでセックス」、「ポスト」が「死ぬほどSEX」――70代、80代の読者までターゲットにしているらしい。父さん、この手の雑誌、ときどき読んでるよね。こういう特集どうよ。父:……おっ、おれは、まだ50代だよ!
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