2024年 4月 20日 (土)

「難し過ぎて大ヒット」のスマホゲーム突然削除  「スーパーマリオ」パクリ説まで出て大騒ぎ 

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「Flappy Bird」というスマホゲームをご存じだろうか。「難し過ぎる」ということでネット上で大きな話題になり、89か国のiTunes Storeで1位を獲得するなど大ヒットしていたアプリだ。

   それが突然、アプリ配信サイト上から削除されてしまい、一体何があったのか、とネット上で大騒ぎになっている。

「もうこれ以上やっていられません」

   開発者のベトナム人技術者・DongNguyenさんは2014年2月8日、自身のツイッターアカウントに「Flappy Birdのユーザーの皆さんには申し訳ないのですが、今から22時間後にFlappy Birdを削除します。もうこれ以上やっていられません」と書き込んだ。その言葉通りアプリは現在iTunes StoreからもGoogle Playからも削除されている。

   突然の削除に、楽しんでいたファンたちはショックを受け、理由をあれこれと推察し始めた。その中でもっとも有力だった説は、土管が並ぶドット絵の画面を横スクロールで進むゲームデザインや効果音などが任天堂のファミコンゲーム「スーパーマリオブラザーズ」によく似ているので、任天堂が怒ったのではないか、というものだ。あまりに騒ぎが大きくなったため、任天堂広報の皆川恭広さんがウォールストリートジャーナルの取材に対してメールで「噂や推測にたいして通常はコメントを致しませんが」と前置きをしつつ否定することになってしまった。DongNguyenさんもツイッターで、「法的な問題とはなにも関係ありません。ただ続けられなくなっただけです」と言っている。

   DongNguyenさんは「(Flappybirdを)売ったりもしません。あと、ゲームはこれからも作ります」ともツイートしていて、削除宣言の前には「Flappy Birdは私のゲームとしては成功したといえますが、私の素朴な生活を台無しにもしました。だから、今ではこのゲームが嫌いです」とうんざりした様子も見せていた。各国のマスコミから寄せられる取材依頼に対しても、「本当に申し訳ありませんが、今はいっぱいいっぱいなんです。一人の人間が、こうしたことすべてに対応できるわけではないのです」などと答えており、どうやら本当に注目を過度に浴びることに嫌気がさしてしまっただけらしい。

   しかし皮肉にも、「Flappy bird」は削除騒動でいったいどんなゲームだったのか、とさらなる注目を浴びることになっている。ebayには「Flappy bird」のインストールされたiPhone5Sが出品され、いたずら入札などが相次いで、日本円にして約1000万円にまで高騰してしまったり(現在は削除)、「Flappy dog」というキャラクターが違うだけのパクりゲームまで出てきたり。なぜか、作者のDongNguyenさんが自殺し、後追いを含めて計7人もの自殺者が出たとの嘘ニュースまで書かれる始末だ。

一日で5万ドル(日本円で約500万円)の広告収入

   「Flappy bird」は13年5月にリリースされ、はじめはiOS、続いてAndroid(アンドロイド)に対応した。長くランキング圏外だったが、13年12月27日にiTunesStoreの ゲームアプリの"家族"カテゴリで26位にランクインしてから徐々に順位を上げていき、14年1月17日に初めて無料ランキング1位にランクイン。そして、アメリカをはじめとした全世界89か国で無料ランキング1位を獲得した。レビューの件数は、35万件以上にのぼり、5.0の評価をしているレビューは約20万件で、過半数を超えていた。Flappybirdの口コミ人気に引きずられて、DongNguyenさんが開発した他のゲームもランクインし、DongNguyenさんにはピーク時には一日で5万ドル(日本円で約500万円)の広告収入が入ることもあったという。

   人気の秘密は「難しすぎる」ことにあった。ゲームの外見は8ビットゲームのような非常にシンプルなもので、操作も画面をタップするのみ、と非常に簡単だ。タップにより画面上を飛ぶ鳥の高さを調節して、土管の隙間を、ぶつからないように飛ばせ続ければいい。と、これだけ見ると簡単なように見える。ところが、難易度は異常に高く、プレイし始めるとすぐにゲームオーバーになってしまうのだという。この難しさが「中毒になる」「スマホを壁に投げつけたくなる」などと話題になったようだ。

   爆発的ヒットの理由を、山本一郎氏もブログで「よくありがちな絨毯爆撃方式による広告出稿などは一切行われなかったそうで、当然アプリストアのランキング操作などもやっていないようです。いわゆるネタ的な扱いでSNSなどでのバイラル効果が相互作用してシンクロニシティが生じ、通常ではあり得ないような異常なほどのブーストが自然に行われたと見るしかなさそうです。それに、こうしたブームを分析するような記事が大手ネットメディアで盛んに取り上げられたことも、さらに火に油を注いだことは間違いないでしょう」と分析している。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中