2024年 5月 3日 (金)

高橋洋一の自民党ウォッチ
日米韓「アジア版NATO」の可能性 3か国首脳会談から垣間見えたもの

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どうなる米軍の韓国撤退問題

   北朝鮮のミサイル発射は、安保理決議違反なので、国連も非難決議に向けて動くだろう。クリミア危機では、拒否権をもつ常任理事国のロシアが当事者のために行動できずに影が薄かったので、北朝鮮のミサイルでは動かざるを得ないだろう。ただ、ここでも、やはり常任理事国の中国の動向が気がかりだ。

   中国は日本の歴史認識問題で韓国をせっかく取り込んだのに、日米韓首脳会談は、北朝鮮をダシにして韓国を米国の同盟国であることを再確認させた。

   一体韓国はどこにむかっているのだろうか。朴大統領は、日米韓首脳会談の直前に、中国の習近平主席との首脳会談や海外プレスに向かって日本の歴史認識問題を批判していたので、日本に対して歴史認識問題の旗は降ろせない。というものの、日米韓のMOUは拒むことができない。こうした中で、2016年の在韓米軍撤退が迫ってくると、撤退を延期するように、米国に泣きつくのではないだろうか。そのときには、米国も自国だけではコスト負担が高くつくので、ひょっとしたら、日米韓のアジア版NATOを持ち出してくるかもしれない。

   こうした国際政治のダイナミックスがすこし垣間見えた日米韓首脳会談だった。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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