2019年 9月 22日 (日)

「セウォル号事故」オーナーの財産没収可能か 「法の不遡及」破り特別法制定に動く韓国

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例外的に「遡及立法」を認めた「光州事件特別法」

   2014年5月22日放送の「モーニングバード!」(テレビ朝日系)は、韓国当局が今後、朴大統領の「宣言」に基づいて事故当事者の家族や第三者名義の隠し財産も没収できる法律をつくると報じた。兪氏一族の「巨万の富」を法に基づいて差し押さえようというのだ。朝鮮日報の記事によれば、一族の財産は2000億ウォン(約200億円)以上という。

   しかし道のりは険しそうだ。容疑事実の立証はこれからだが、難航が予想される。「モーニングバード!」では、横領や背任、脱税がセウォル号の事故に直接影響を及ぼしたかどうかの因果関係を明らかにしなければならない点を指摘した。海運会社から兪氏一族に多額の不正な資金が流れ、会社側の資金が細ったことで過積載など安全を軽視しても利益を追求する体質になったというシナリオが裏付けられるのか、現時点では不明だ。

   事後に制定した法律を、さかのぼって効力を発揮させるというのも大きなテーマだ。日本を含む主要国では、どのような行為が犯罪で、いかなる刑罰が与えられるかは、あらかじめ法律で定めておかなければならないという「罪刑法定主義」をとる。日本国憲法39条は「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない」という、いわゆる「法の不遡及」を定めている。

   韓国も基本的に同じ立場をとるが、「間違ったことは過去にさかのぼって正そうという文化がある」と「モーニングバード!」では伝えていた。例外的に「法の不遡及」を認める場合があるというのだ。例えば1979年の粛軍クーデターと1980年の光州事件関係者を処罰する「光州事件特別法」が1995年に韓国国会で成立した。事件にかかわった全斗煥、盧泰愚両元大統領の処罰を可能としたもので、当時は遡及立法として反対する議員もいた。これにより全元大統領は死刑判決(後に特赦)を下されている。

   本来、憲法上の「法の不遡及」を曲げるのは法治国家としてあり得ないだろう。しかも、そこまでして兪氏一族に賠償責任を負わせることを優先させたとしても、多額に上る補償すべてを賄えるかどうかは微妙なのだ。朝鮮日報は5月21日付の記事で、相当部分を国民の税金で埋め合わせるしかないだろうと指摘している。

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