ブルボンの大ヒット商品「プチ」シリーズの「プチポテト コンソメ味」が、インドネシアで回収されていたことがわかった。きっかけは、東京の大学に留学していた女性がインドネシアでコンビニエンスストアに買い物に行き、「プチポテト コンソメ味」を手にしたこと。商品の裏側にある原材料の表記に、イスラム教徒が口にすることを禁じている「豚肉エキス」の文字を見つけたためだ。ハラル食品、販売には棚も変えないとダメ?ブルボンの大ヒット商品「プチ」シリーズがインドネシアで「ハラル」騒動に…(画像はブルボン「プチ」シリーズのホームページ)ブルボンの、インドネシアでの「プチポテトコンソメ味」の回収騒ぎは2014年5月中旬のこと。原材料に「豚エキス」が含まれていたことを見つけた女性が、そのことをフェイスブックでムスリム(イスラム教徒)に警告した。それを現地のオンラインニュースサイトなどが取り上げたため、騒動となった。現地のコンビニチェーン大手が「プチポテト」をハラル食品と接して置いていたことも問題視されたという報道もある。「ハラル食品」は、イスラム教の戒律にしたがって製造されていることを示す。インドネシアをはじめとしたアジアのイスラム圏では、ムスリムではない国民も多いため、ハラル食品以外の流通も許されている。しかし、「ハラル」と「非ハラル(ハラム)」は、商品の棚をきちんと分けて販売しなければならない、と決まっているとされる。ブルボンは2011年から「プチ」シリーズを日本の輸出代理店を経由して、インドネシアの輸入代理店、CV.ローマに販売。インドマレットに卸している。ブルボンは、「インドネシアで(プチポテトが)販売されていることは知っていましたが、商品の回収は現地の販売店のほうで対応しました」と話している。そもそも、「プチポテト」の原材料の表示には、しっかりと「チキンシーズニング(乳・卵・小麦・豚肉を含む)」と記載されている。ただ、インドネシア語では原材料の表示が貼り付けられていなかった。ブルボンも、「輸出専用の商品を製造しているわけではないので、どの国でも日本語表示の商品が販売されています」と説明。輸出(あるいは各国の輸入)代理店が表記を整えて、販売するのが慣例になっているようだ。現時点で同社に損害はなく、現地からの苦情や問い合わせもないという。ハラル認証の「要件」はイスラム各国で異なるとはいえ、インターネットでは、「イスラム教徒は買わなきゃいいんじゃね?と思ったが、向こうで売って向こうの言語で表記しなかったのであれば問題になっても仕方ないか」「イスラム国家で売るんだから気をつけろよww」といったメーカー側に注意を促す声のほか、「本場のムスリムじゃなきゃ(豚肉は)普通に食ってるからなぁ。食べるほうが注意すべきことなんじゃね」との声も漏れている。日本貿易振興機構(JETRO)によると、インドネシアに進出している日系の食品メーカーは、15社(2012年)ある。JETROによると、イスラム諸国に食品を輸出する際には「ハラル認証」が必要になるが、商品自体のみならず、原材料の保管や製造工程、流通などすべてにわたり「ハラル性」が保たれていることを要求する国もあれば、ハラル処理が必須なものが肉類や低次肉加工品、動物性油脂などに限られているなど、国ごとで要件が異なる。国のよってかなり差があり、手続きも複雑。半面、なかには認証の取得を示すハラルマークがいらないケースもあり、トラブル防止には各国の輸入制度のチェックが欠かせないようだ。ブルボンは今回のことを受けて、「現地の輸入代理店にも直接、原材料情報を伝達するように変更することを考えています。また、商品の日本からの輸出前に現地代理店が作成する表示ラベルを当社に送付してもらい、現地の食品衛生法に準拠していることを確認したうえで輸出を認めることにしました」と話している。
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