2024年 5月 4日 (土)

「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(6)
習近平体制成立以降ウイグル人弾圧が激化 6万台のカメラで監視、暴力支配が横行
日本ウイグル協会会長、イリハム・マハムテイ氏に聞く

車は焼け焦げたのに「証拠」の旗だけが燃えなかった

――2013年以降、北京やウルムチなど複数個所で爆発事件が発生し、当局が「ウイグル人組織のテロ」と発表しているものもあります。どうお考えですか。

イリハム ウルムチでは2014年4月30日に駅前で、5月22日には市中心部で爆破がありました。大勢の犠牲者が出た痛ましい出来事です。公安当局は、監視カメラに映っていたとしてウイグル人容疑者を発表しました。ところが、この人物が現場付近を歩いていた映像は公開しても、犯行に及んだときの決定的な瞬間は出てきません。ウルムチ市内には6万台の監視カメラが設置されているのをご存じですか。これだけ徹底チェックしているのに、爆発物を投げ込んだ犯人が撮影されていないとは考えられないでしょう。
   北京・天安門に車が突入、炎上した2013年10月28日の事件も、ウイグル人が犯人として死刑判決が出ました。しかし、当局発表は不自然な点が多い。車中には「少数民族の文字」で「宗教的なメッセージ」が書かれた「黒い旗」が残されていたといいます。ところが車は400リットルのガソリンを積んで炎上したはず。車が焼け焦げたのに布製の旗だけが燃えなかったというのはあまりに不自然です。
   これらの事件は「ウイグル人の犯行」と認める人もいますが、一方で「当局の自作自演」と疑う声も少なくありません。
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