2024年 4月 19日 (金)

たかじん看病妻描いた「殉愛」 「全くのデタラメ話」と関係者反論、作者と激突

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   歌手やしきたかじんさんと妻さくらさんの出会いから別れまでを書いた、百田尚樹さんのノンフィクション「殉愛」(幻冬舎)が2014年11月17日付のオリコン週間BOOK総合ランキングで1位を獲得するなど、大ヒットしている。

   その一方、通販大手アマゾンのレビュー欄は賛否が真っ二つで、たかじんさんの弟子からは「みんな怒り心頭です」と内容の真偽について批判を受けている。

アマゾン全347レビュー中193人が星1つ

14年11月7日に発売された「殉愛」(幻冬舎)
14年11月7日に発売された「殉愛」(幻冬舎)

   「殉愛」は2人のフェイスブックを通じた出会いから、結婚への発展、たかじんさんの闘病生活、そして14年1月の食道がんによる死去までをまとめたもの。百田さんによると「この物語は全て事実である」というノンフィクションだ。11月7日の発売からわずか1週間ほどで推定売上部数6万5000部(オリコン調査)を記録し、話題を集めている。

   ツイッターでは読者から「感動した」「涙が止まらなかった」という声が相次いでいる。2人を知る竹田恒泰さんは「十年分泣いた気がします。最高の作品です」などと手放しで絶賛するほどだ。

   一方、アマゾンのレビューでは全347レビュー中、星5つが119で星1つが193と評価は分かれている。星1つをつけた人からは、あまりの美談ぶりを「これって本当なの?彼女は自分を飾っているんじゃないの?という疑問も同時にわいてきます」「女性は、ただの悲劇のヒロインだと言いたいのか最悪だ」など、病気のたかじんさんを支え続けたという、さくらさんへの疑問が相次いで投稿されている。

   こうした意見に百田さんは素早く反応。「呆れるのは、証拠もないのに、嘘だ、インチキだと決め付ける人がいることだ。その決め付けはどういう精神から来るのかな」と8日、ツイッターでクギを刺した。11日には「Amazonレビュー、未亡人に対する誹謗中傷がひどすぎる!実態も真実も何も知らない第三者が、何の根拠もなく、匿名で人を傷つける。本当に人間のクズみたいな人間だと思う!」と怒りをぶちまけた。

   そんな中、80年代にたかじんさんの弟子をしていたという歌手の打越元久さんが13日、

「本でコケ落とされてるマネージャーK氏 前マネージャーN氏ほか、たかじんスタッフ/ファン多勢。みんな怒り心頭です」

と百田さんに抗議する内容をブログに書いた。

元弟子「さも真実のように書かれてる」

   「殉愛」にはしばしば元マネージャーのK氏とスタッフのU氏が登場する。作中で2人は、さくらさんに厳しく当たり、たかじんさんから煙たがられているにもかかわらず、仕事を取り仕切ろうとする人物として描かれている。特にK氏は個人事務所の帳簿をいじって、1000万円以上の使途不明金を出したと書かれている。百田さんはツイッターでも「本には書いていませんが、彼は越えてはならない一線を越えました。いずれ司法の場に引きずり出されるかもしれません」としている。

   これに打越さんは、

「百田氏は会った事も無ければ取材もしていないマネージャーKを仕事も出来ないミスばかりする運転手...とマネージャーK氏をコケ落とした。そして数千万の使途不明金があり着服したと記載した!全くのデタラメ話をさも真実のように書かれてる」

と反論。さらに、「あなたは間違った...認めれば良いではないか。奥さんの嘘話を信用して、、、いや信じ込んで、、、儲かると察して!そしてやしきたかじん氏の関係者に対して侮辱した事に素直に謝りなさい」「いつまでも私たちは百田尚樹という名声と金だけに欲をむき出した最低な人間を忘れない。実に悔しくて悔しくてたまらない」と激しい言葉をぶつけた。

   自身のネットラジオでも「殉愛」について批判を展開。なお、ブログは14日に削除している。

   はたしてさくらさんはどんな人物なのか。前出の竹田さんは「僕は、何度かさくらさんと会っていますが、さくらさんの人柄は、この本に書かれているとおりです。さくらさんの、たかじんさんを思う気持ちは本物ですし、さくらさんは、控え目で、気立てがよく、どこから見ても、至極素敵な方です」と11日のブログに書いている。しかし、ネット上に依然として、美談に懐疑的な見方が続いている。

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