2018年 11月 15日 (木)

連載・世襲政治に未来はあるのか(終)
今回も世襲は本当に強かった 自民党は比例含め候補者全員当選

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   2014年12月14日に投開票された第47回衆院選では、比例・小選挙区合わせて475議席を1191人の候補者で争った。候補者全体の39.9%しか当選できない計算だが、その中でも圧倒的な強さを見せたのが世襲の候補者だった。

   「世襲候補」の定義は一様ではないが、比較的狭く定義すると、約1割が世襲候補だった。世襲候補のうち、3分の2が自民党からだ。比例復活を含めると世襲のうち9割近くが議席を確保しており、中でも自民党は議席を失った候補がいない「完勝状態」だ。改めて地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(資金)の「3バン」の強さを見せつけたことになる。

世襲候補の3分の2が自民党から出馬

世襲候補の「勝率」は9割近い(写真はイメージ)
世襲候補の「勝率」は9割近い(写真はイメージ)

   一般的に「世襲」の範囲はあいまいだが、便宜的に「父母(養父母含む)、祖父母、義父母、義祖父母のいずれかに国会議員がいる人」を「世襲候補」と定義すると、今回の衆院選では126人がこの定義にあてはまった。内訳を見ると、自民85人、民主19人、維新9人といった具合で、世襲候補のうち67.5%を自民党が占めている。

   126人のうち、比例復活を含むと当選したのは110人。世襲候補のうち86.5%が議席を手にしたことになる。

   自民党の強さは圧倒的で、堀内詔子氏(山梨2区)、西銘恒三郎氏(沖縄4区)の2人が比例復活した以外は83人が小選挙区で当選。議席を失った人はいなかった。特に顕著なのが岐阜県で、5つある小選挙区のすべてを野田聖子氏(1区)ら自民党の世襲候補者が制し、「自民世襲王国」ぶりを見せつけた。

   全体的には議席が伸び悩んだ民主党も、19人のうち7人が小選挙区で当選し、6人が比例で復活。世襲候補のうち68.4%が議席を得た。

菅官房長官「持論だが、世襲制限は必要だと思っている」

   ただ、政府の中枢には、こういった現状を望ましいと思っていない人もいるはずだ。自民党が下野するきっかけになった09年衆院選のマニフェスト(政権公約)に「『世襲候補』の制限等」という項目を盛り込んだ菅義偉官房長官だ。

   菅氏は2014年12月26日の記者会見でも、世襲に否定的だった。

「(09年衆院選)当時、私は選対の副委員長だった。私の持論だが、世襲制限は必要だと思っている。自分がその立場(選対)になったので世襲制限を行った。当時、自民党の国会議員のうち4割近い人が世襲で、党内でも色々な論争があったが、そうしたことを貫いたことで現在は多分1割以下になったと思う」

   菅氏の「多分1割以下になった」という発言は正確ではない。衆院選で当選した自民党候補291人のうち世襲は85人で、「世襲率」は29.2%もある。民主党は当選した73人のうち世襲は13人で、「世襲率」は17.8%。今でも明らかに自民党の方が世襲が幅をきかせていることが分かる。

   菅氏は、

「自民党はある意味で幅広く『国民政党』になってきている、そう思っている。色々な方が自民党公認で出馬できる機会が大きく広がった。公募の導入など色々なことを行ったので、そこは間違いなくそういう方向になってきた」

と続けたが、実際は「道半ば」といったところだ。

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