2019年 11月 22日 (金)

アベノミクスのゆくえ(2)
嶌峰義清氏インタビュー(下)
2015年は「景気がよくなる」 株価2万3000円台もある

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   いま一つ動向がはっきりしない国内景気だが、2015年はさらに円安・株高が進み、今度こそ景気回復が軌道に乗るとみる向きは少なくない。

   2015年はどうなるのか――。第一生命経済研究所の主席エコノミスト、嶌峰義清氏に15年の景気の見通しとアベノミクスの課題について聞いた。

政府主導で、中小企業に「儲けさせる」!

2015年の株価は「2万3000円もある」という嶌峰氏
2015年の株価は「2万3000円もある」という嶌峰氏

―― アベノミクスによる「円安株高」の恩恵は、大企業ばかりで中小企業にはほとんどないといわれます。なぜでしょう。

嶌峰: 円安による影響がこれほど悪化したのは計算外だったといえます。伸びると思っていた輸出量も予想していたほど伸びませんでした。ご指摘のように、円安による負の影響で輸入コストの上昇を招き、エネルギーをはじめ多くの原材料費などが上昇しました。それが徐々に消費者に転嫁されています。ただ、それが適正に価格に転嫁されているかというと、そうではないようです。相変わらず、大企業は中小の下請け企業などに対してコストを下げさせるよう命じているケースが少なくありません。
これまで日本経済を、大企業を、国内の8割超を占める中小企業が支えてきたのはまぎれもない事実ですし、その構造は現在も続いています。それにもかかわらず、中小企業に対して、ほとんど手を打ってこなかった。いまは中小企業を底上げして、儲かるようにしていくことが景気回復のための、喫緊の課題です。

―― 中小企業に、アベノミクスの恩恵が行き渡るのでしょうか。

嶌峰: 長期化したデフレやリーマン・ショックと、急速な景気悪化が頭から離れず、経営者の方が設備投資を控えたり、給料の引き上げに躊躇したりする気持ちはわかります。
しかし、その一方でインフレに転じたときに、内部留保が何の意味もないことを経営者は理解しています。着実にインフレに向かっていけば、設備投資してみよう、賃金を上げようという雰囲気がつくれます。
とはいえ、中小企業に景気回復のマインドが染み渡るには時間がかかります。その一方で、アベノミクスは短期間にインフレを起こして、デフレから脱却するのが目的ですから、のんびり中小企業に恩恵が浸透するのを待つわけにはいきません。
そこで政府の役目ですが、中小企業が価格転嫁しやすい、儲けられる状況をつくり出してあげることが必要です。たとえば、少なくとも企業間取引については、下請け企業が泣くような、これまでの商慣習などを見直し、取引の障害になる行為をやめさせる。それだけで中小企業の収益は大きく改善するはずです。2015年はそこのところを、政府の力で改善していかなければなりません。
さらに、規制緩和をしっかり進めていくことが必要です。

―― グローバル化の中で、日本企業はどうすればいいのでしょうか。

嶌峰: 基幹部品がつくれるかどうかが勝負どころ、と考えています。たとえば、ブランド名が付いている、ソニーやホンダ、パナソニックといったようなメーカーが今後現れるかというとむずかしくなると思いますし、むろん完成品の輸出は減ります。
ただ、完成品の製造は外資に代わられるかもしれませんが、その中身の技術で日本が見劣りすることはありません。たとえば、薄型テレビや携帯電話の技術は、国内から韓国へ、いまは中国へと流れて安いモノがつくられていますが、人工衛星やジェット機に使われている部品や、モノづくりの技術は簡単にはマネできません。
これまでは国内の中小企業が大企業に部品を提供してきましたが、優れた技術をもった基幹部品を、今後は外資にも提供していく選択肢もあるわけです。そうなれば、円安の恩恵も広がります。
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