2024年 4月 24日 (水)

アベノミクスのゆくえ(2)
嶌峰義清氏インタビュー(下)
2015年は「景気がよくなる」 株価2万3000円台もある

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

円安で輸出量が増えて景気がよくなる

―― 2015年の「景気がよくなる」との根拠はなんでしょうか。

嶌峰: 外需です。円安で輸出量が増えて景気がよくなるという、アベノミクスのメインシナリオが生きてきます。米国の景気回復が確かになってきたことで、中国やアジア、欧州の景気も徐々に上向いてきます。それにより、輸出が増えます。これまでの指摘のように、確かに企業の海外進出で輸出量が増にくい状況ではありますが、国内でつくられる部品などが中国やアジアをはじめ海外に輸出される機会は間違いなく増えます。それにより、国内の中小企業にも少しずつ円安の恩恵が染み渡ることにもなります。

―― 消費マインドは上向きますか。

嶌峰: 2015年を見通したとき、解散・総選挙という判断はよかったと思います。経済政策については野党から代案が出てこなかったため、この点では与党の言うとおりにするしかありません。いわば「おまかせ」ですから、経済政策はやりやすくなります。アベノミクスは続きますし、それにより2014年に景気が失速した分を穴埋めすることができます。
こうしたことから、消費の停滞ムードも解消に向かうでしょう。消費増税の延期は、新たな負担が生じないのですから、それだけでプラスに働きます。また、2015年の賃金は平均1%の上昇とみています。一方の物価の上昇も1%程度に緩んでくると考えています。つまり、実質賃金でマイナスになることはないわけです。

―― アベノミクスが成功する「条件」には、なにがありますか。

嶌峰: とにかく、株高です。アベノミクスの成否はこの1年にかかっているといっても過言ではありません。少なくとも、(消費増税の延期で)消費の足を引っ張る条件はありませんし、2015年にどれだけ効果が発揮できるかが問われています。
ロシアの経済不安などを加味しないという前提で、2015年は株価で2万1000円~2万3000円。為替は1ドル130円~140円と予測しています。

―― 1ドル140円ですか? いま1ドル120円です。

嶌峰: ええ、140円です。でも下げ幅は2割にも達していませんよ。それに、これからの2割には大きな意味があります。アベノミクスがはじまってからの円安は、日銀の金融緩和による、いわば日銀がつくった円安です。2015年の2割は日米の金利差によるもの。つまり、米国は景気回復によって金利が上がっていく、その結果による金利差です。140円は妥当と考えています。
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