2024年 5月 4日 (土)

「イクメンはそんなに出世しない」? 「島耕作」作者、弘兼氏の発言が波紋

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育児休業、取得しづらいのは上司と部下の「世代間ギャップ」?

   その一方で、じつは3割を超える男性が「育休を取りたい」と考えている(厚生労働省「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査」)という。これは2008年の調査なので、最近はさらに増えているかもしれない。

   男性社員が育児休業を取得したくても、利用できない理由の一つに、男性社員が育児休業を取ったり、育児のための短時間勤務やフレックス勤務を活用したりすることを上司などが妨げる、「パタニティ・ハラスメント」(パタハラ)があるとされる。

   弘兼憲史氏も、

「たとえば僕が上司の立場だとして、急遽、重要な案件が発生して緊急会議になるから残ってくれ、と部下に頼んだとします。その返答が『すみません、今日は子供の誕生日なので帰らせてください』だったとしたら、僕はその部下を仕事から外しますね」

という発言をしていた。

   この背景には、上司(管理職)と部下の子育て観の違いがあるという見方がある。中高年世代と子育て世代との「世代間ギャップ」といえるものだ。

   「経済成長につなぐには、『イクメン』を増やすことが必要です」という、ニッセイ基礎研究所経済研究部の薮内哲研究員は、「育児が出世を妨げるという考えが抜けない背景には終身雇用制があります。終身雇用は『会社に尽くすこと』が評価軸ですから、休暇を取る人よりも取らないで頑張る人が評価されます」と説明。そのうえで、「政府の方針でもあり、最近は管理職(中高年世代)もイクメンが大事なことは理解していますが、一方で成果も上げなければなりません。『休暇を取れ、でも成果も上げろ』というわけですから、イクメンにしてみれば休暇を取りつつ、仕事の生産性を上げなければならない。これはお互いにつらいところです」とも話している。

   こうした歪みが、男性社員の育児休業が伸びない理由とみている。

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