2024年 5月 6日 (月)

政府が空港運営権を民間に売却 買い手がつくのはどこまでか

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営業黒字は7空港にとどまる

   ただ、民営化にはプラス効果の一方、マイナス面も指摘される。

   国交省は2012年度の国管理27空港の収支試算結果をまとめている(2014年7月発表)。それによると、滑走路など空港本体の事業で営業黒字を確保したのは新千歳、小松、熊本の3空港だけで、空港ビルなど関連事業は2012年開業の岩国(山口県)を除き黒字だったが、両事業を合計した収支の営業黒字は、本体事業黒字の3空港を含め7空港にとどまる。

   現在民営化を進める空港はそれぞれの地方の中心都市にあり、空港としての規模も比較的大きい。そこが民営化で身軽になり、LCC誘致などに励めば、就航路線が増え、乗降客も増え、利益を上げる可能性は高いとみられる。ただ、そのことで周辺空港に打撃を与える可能性もある。例えば、仙台の民営化で新路線などが増えれば、山形空港などから乗客が現在以上に仙台に流れるとの懸念が出ている。

   空港間が競争するのは当然ともいえるが、空港の損益分岐点となる乗降客数は年250万~260万人との試算もあり、これに該当する国管理空港は羽田、福岡以下11だけ。地域の人口や経済力に差がある中では、空港間格差、ひいては地域間格差を広げる恐れもある。防災、災害対策の上でも空港が「淘汰」されるような事態は避ける必要があり、単純な空港間競争でなく、一定エリアの複数の空港の経営を一体化し、全体で黒字を目指すなど、国の政策の方向性も問われる。

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