2024年 5月 4日 (土)

東海道新幹線の「カモノハシ」2020年までに引退へ JR東海が稼ぎ頭「のぞみ」高速化でリニア線建設費を捻り出す

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純利益で28年分かかるリニア工事

   JR東海の足元の業績は、運輸収入の9割を占める東海道新幹線の好調さを背景に快走が続く。東海道新幹線は主力のビジネス客のほか、訪日外国人を含めた観光利用が増えている。2015年10月28日には、2016年3月期の業績予想を上方修正。純利益は前期比22%増の3210億円と従来予想を180億円上回り、4年連続で過去最高を更新する見通しだ。売上高は3%増の1兆7150億円と、従来予想を410億円上回る見通し。在来線を含めた運輸収入も3%増で過去最高を見込む。営業利益は8%増の5450億円、経常利益は11%増の4750億円で、それぞれ従来予想を300億円上回る。

   絶好調ではあるが、JR東海は、着工したリニア中央新幹線の工事で2027年開業の名古屋まで5.5兆円、2045年の大阪延伸まで含めれば9兆円に上る工費を自前で負担する。純利益が3210億円と言っても、9兆円まかなうには単純計算でそれが28年分必要になるわけで、企業規模からして生やさしい金額ではない。

   だからこそ、稼ぎ頭の東海道新幹線にしっかり働いてもらう必要があるわけだが、これで盤石とまでは言えない。時間に正確と言っても、家族で旅するには運賃がやや高いし、学生にもハードルが高い。今や遠方からディズニーランドやUSJに行くのは高速バスが定番。飛行機も東京―大阪間は新幹線に太刀打ちできないように見えるが、格安航空会社(LCC)の運賃引き下げが進めば、客が流れる可能性もある。もし、景気が落ち込めばビジネス需要自体が減るリスクもある。

   リニアの工費をまかなうためにも新幹線の安易な運賃引き下げはできないとみられている。開業から半世紀を超えた東海道新幹線の車両やサービスを磨き、もう一稼ぎする方針のようだ。

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