2024年 4月 23日 (火)

「キラキラネーム」親はやっぱり非常識? 救急外来の深夜受診で見えた「異常」

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   救急外来を訪れた子どものケースを調べると、漢字に奇抜な読みを当てはめた「キラキラネーム」の子は、深夜の受診率が、そうでない名前の子に比べて3倍も高かった――。そんな調査結果が医療専門誌「小児科臨床」2015年11月号に掲載され、「やっぱりキラキラネームをつける親は非常識」「名前に対する偏見だ」と、インターネット上で話題になっている。

   最近、症状が軽いのに夜間救急外来を訪れる「コンビニ受診」が社会問題になっているが、論議に一石を投じた形だ。

  • 生まれた子にどんな名前をつけようか(写真はイメージ)
    生まれた子にどんな名前をつけようか(写真はイメージ)
  • 生まれた子にどんな名前をつけようか(写真はイメージ)

病院という公共空間に対する配慮を欠いているのか

   論文の著者は、日本赤十字和歌山医療センター(和歌山市)で研修医を勤めていた松浦祐史医師。「キラキラネームとER(救急救命)受診時間の関係」と題する論文によると、調査対象は2013年12月1~7日に同病院救急救命センターを訪れた15歳以下の子ども104人。キラキラネームかそうでないかは、30歳前後の病院スタッフ27人にアンケートをとり、(1)5割以上の人が読めない(2)5割以上の人がキラキラしていると感じる、を基準に判断した。

   その結果、キラキラネームが16人、普通ネームが88人と判断された。そして「キラキラ児」のうち6人(37.5%)と、普通児のうち11人(12.5%)が午後9時~翌日午前9時の深夜時間帯に受診した。その割合は3倍で、統計学的にはっきり差が出た。救急車の利用率や重症の度合いに差はなかった。

   松浦さんは、論文の中で「貧困や核家族化、親の働く時間帯などER受診時間に影響を与える因子は多数存在する」と述べつつも、「『キラキラネーム児』の親が病院という公共空間に対する配慮を欠いているため深夜時間帯に受診している可能性がある」と書いている。

キラキラネームの名誉を守るための調査が裏目に

   この論文に対し、ツイッターやフェイスブックに多数の投稿があった。

「コレ、キラキラネームの子の親はDQN(ドキュン)だと言っているね」
「診療医師の色眼鏡そのものだよ」

という反発の一方、医療関係者から、こんな賞賛の声も。

「すごい研究だ。これを許可した病院幹部の勇気に感謝したい」

   当の松浦医師は、「週刊女性」(2015年12月22日号)の取材に対し、調査を始めたきっかけについて、「僕は、ネット上でキラキラネーム児の親が悪く言われるのをはっきり言って不快に感じていました。そこで、こうした誤解は血液型占いと一緒だから、決めつけはよくないよね、という結論が出ると思って調査したんですが」と語り、予想外の結論に本人が一番びっくりしているそうだ。

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