2024年 5月 5日 (日)

マインドフルネス 極度の緊張状態でも平常心を保つ法 散歩や食事中、通勤電車で鍛えられる

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瞑想は「長生き遺伝子」にもいい影響を与える

   ところで、瞑想が心身に与える驚きの効果は、マインドフルネスの「ご先祖」である座禅から明らかにされてきた。米ハーバード大が、磁気共鳴画像法(MRI)を使い、座禅の修行者たちの脳を調べると、普通の人より背内側前頭前野が発達していた。この領域は、ものごとを客観的にとらえる機能があるところで、目の前のことに集中しやすい脳になるのだ。

   マインドフルネスもここ数年、さまざまな健康効果の研究が発表されている。以下に紹介しよう。

   (1)重度の高血圧症患者に4か月間瞑想(マインドフルネス)させると、血圧が改善したばかりか、「長生き遺伝子」といわれるテロメアの老化を防ぐ酵素が多く分泌され、テロメアの働きが向上した。これは、厳しい食事制限と運動療法を行なったケースとほぼ同じ治療効果だった。瞑想が遺伝子レベルにまで影響を与えることを示し、心臓病や脳卒中の予防にも期待されている。

   (2)乳がん患者が6週間瞑想させると、うつ症状が減り、ストレスが少なくなった。また、全身の炎症反応が減少した。

   (3)うつ病患者に2年間瞑想させると、抗うつ薬治療を続けたのと同じレベルに症状が改善した。

   では、具体的はどういう方法で行なうのだろうか。「青空を感じる瞑想」「食べ物を感じる瞑想」「歩く瞑想」など様々なマインドフルネスの講習会が全国で行なわれている。参加した人々のサイトをのぞいてみよう――。

「ウォーキング(歩く瞑想)では、講師から、足裏の感覚に意識を向けろ、と教わった。『今、右足に体重がかかっている』『足の下に石ころがあり、でこぼこしている』と感じとりながら歩む。しかし、途中で注意力が途切れ、別のことを考えてしまう。講師は『他のことが思い浮かぶのは仕方がないこと。考えていたなと受け止め、もう一度意識を足裏に戻しなさい』......。30分間、みっちり足裏に集中しながら歩くと、スッキリして疲れがとれた気がした」
「イーティング(食べる瞑想)では、レーズンを渡された。講師がこう言った。『あえてこの物体の名前は言いません。生まれて初めて見る物として扱ってください』。じっと眺めた。こんなに一生懸命レーズンを見たことはなかった。黒っぽいシワシワの粒としか思ってこなかったのに、ツルツルとした輝きがあり、照明にかざすと様々な色に変わり透けて見えた......。口に入れた。1回だけそっと噛んだ。甘い。かすかに酸っぱい液体があふれ出し、じわ~っと口いっぱいに広がった。同時に唾液が両脇からあふれ出し......。なんの変哲もないレーズン1粒なのに、意識を集中させて観察するだけで、これだけ変化する」
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