2024年 4月 20日 (土)

トヨタはなぜ「5大陸走破」を目指すのか 「もっといいクルマづくり」にかける想いとの関係

   トヨタ自動車は、「TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ・ガズーレーシング 以下TGR)」というプロジェクトを通じて、世界中で催される様々なモータースポーツに参加している。2014年からは、従業員自らがランドクルーザーなど、トヨタの様々な車種を運転して5大陸の過酷な道を走破する「TOYOTA 5大陸走破」プロジェクトにも取り組んでいる。

   トヨタはなぜ、モータースポーツへの挑戦を続けるのか。その背景には、トップに立つ豊田章男社長の強い想いがあった。トヨタ実験企画統括室の杉田憲彦さんと、モータースポーツマーケティング部の柳澤俊介さんに、2016年の最新事情を聞いた。

  • 5大陸走破を技術面で支える杉田憲彦さん(右)とTGRブランディング担当の柳澤俊介さん(左)
    5大陸走破を技術面で支える杉田憲彦さん(右)とTGRブランディング担当の柳澤俊介さん(左)
  • 5大陸走破のコンセプトを記したポスターは、トヨタの全部署に飾られているという
    5大陸走破のコンセプトを記したポスターは、トヨタの全部署に飾られているという
  • 「道を知らない者が、いいクルマを作れるだろうか」この一言に章男社長の想いがあらわれている
    「道を知らない者が、いいクルマを作れるだろうか」この一言に章男社長の想いがあらわれている
  • 5大陸走破を技術面で支える杉田憲彦さん(右)とTGRブランディング担当の柳澤俊介さん(左)
  • 5大陸走破のコンセプトを記したポスターは、トヨタの全部署に飾られているという
  • 「道を知らない者が、いいクルマを作れるだろうか」この一言に章男社長の想いがあらわれている

「モータースポーツ活動=人づくり」

――TGRの目的は。また、2015年の活動成果はどうようなものでしたか。

柳澤「トヨタでは『モータースポーツ活動=人づくり』として、人材育成のためにTGRに取り組んでいます。さらに、レースを通じて育った人材がクルマを作り、そのクルマに乗った人がトヨタのファンになる。この三つが大きな目標です。TGRの組織自体ができたのは昨年の4月で、今ちょうど1周年を迎えます。15年も様々なモータースポーツに参加したので個々の成果については一概に言えないのですが、全体としては、まだまだこれから頑張らなければならない、というところです」

――「5大陸走破」は、どういったチャレンジですか。

柳澤「『道が人を鍛える、人がクルマを作る』をスローガンに、社員が実際に世界各地の道を走ることで鍛えられ、いいクルマづくりにつながる経験を積むことを目的としたチャレンジです。社内の様々な部署から人が参加しています。14年のオーストラリアに始まり、15年は北米を走破しました。今年は南米にチャレンジします」
杉田「オーストラリア、北米とこれまでは先進国が中心でしたが、南米はどちらかといえば新興国が多い大陸です。環境や道の状態も厳しいところがあります。そして今までと一番異なる点は、住んでいる人の価値観が違ってくるということだと思います」

――モータースポーツの成果は、クルマ作りにどのように活かされていますか。

   柳澤「モータースポーツへの参加は、良い成績を収めることよりも、関わった人がいかに育って帰ってくるか、ということに重きを置いています。実際のクルマづくりとしては、レースから学んだエッセンスを盛り込んで開発した市販車シリーズ「G's」を展開したり、FIA世界耐久選手権(各社がハイブリット車で参加する選手権)では、ハイブリット技術を他社と切磋琢磨したりしています」

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