2019年 2月 16日 (土)

「業績は不合格」柳井氏も認めるユニクロの「陰り」 「値上げ」引き金の客離れが止まらない

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   カジュアル衣料品店チェーン「ユニクロ」の成長神話の陰りが鮮明になってきた。ユニクロを運営するファーストリテイリングは2016年4月7日、業績予想を大幅に下方修正し、16年8月期の純利益は従来予想を500億円下回る600億円とした。2015年8月期に比べ45.5%の大幅減だ。

   翌4月8日の株式市場は業績への不安心理が拡大してファストリ株が急落し、市場全体も押し下げる「ユニクロショック」を引き起こした。成長を続ける数少ない日本企業の一つが、曲がり角を迎えている。

  • 国内、海外ともに不振の続くユニクロ(2012年9月11日撮影)
    国内、海外ともに不振の続くユニクロ(2012年9月11日撮影)

利益半減の業績予想に株価は急落した

   「業績は不合格だ」。7日の記者会見でファストリの柳井正会長兼社長は険しい表情で、こう語った。この日は流通業界のカリスマ経営者、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が内紛・権力闘争の末、自身の退任を発表という仰天のニュースが大きく扱われたため、ユニクロ失速のニュースはあまり目立たなかったが、お家騒動を抱えながらも業績自体は好調なセブンに比べ、ユニクロの実態はなかなか厳しい。

   積極的に海外進出を進めるファストリだが、国内のユニクロはなお会社の根幹である。ユニクロの売上高は全体の半分近くを占め、営業利益ベースでは2015年8月期に3分の2程度を稼ぎ出した大黒柱だ。その国内ユニクロ事業に異変をもたらしたのが、2014年秋冬物で約5%、2015年秋冬物で約10%と2年連続で実施した値上げだ。原材料高や海外生産拠点の賃金増などでやむを得ない面はあったが、「高品質」と同時に「安い」ことが人々を引き付けてきたポイントだけに、少なからぬ消費者の離反を招いた。

   この結果、夏物より単価の高い「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」などの冬物でスタートダッシュを図るはずの2015年11月と12月に販売が失速。暖冬傾向も追い討ちをかけ、既存店売上高は上半期(2015年9月~2016年2月)に1.9%減となった。

   値上げによって薄れた「格安」イメージを取り戻そうと、2016年1月と2月には値引き販売を強化。これによって売上高の大幅減は免れたものの採算が悪化し、利益を減らす主因となった。物流費や人件費もかさんだため、国内ユニクロ事業の上半期の営業利益は28.3%の減益となった。「かつて『猫の目バーガー』と揶揄されたマクドナルドを思い起こさせるような価格政策の失敗」(国内証券系アナリスト)との見方も出ている。

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