2018年 7月 19日 (木)

「フジ系」扶桑社から「日本会議」批判本 話題の新書めぐる騒動に「保守の内ゲバ」説も

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   著述家の菅野完(たもつ)さんが上梓した『日本会議の研究』(扶桑社新書)について、日本会議が「申し入れ書」を扶桑社側に送付した。

   本書は安倍内閣を支え続ける保守系民間団体「日本会議」の歴史や、政界への影響力を詳しく解説したもの。所属するメディアグループのイメージから保守論壇の一翼を担っていると見られがちな同社と保守系団体の間に起こったトラブル。ネット上では「内ゲバ」などと揶揄する声もあるが...。

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日本会議は「申し入れ書」を送付

   『日本会議の研究』は、扶桑社の運営するウェブメディア「ハーバー・ビジネスオンライン」に2015年2月から連載されていた「草の根保守の蠢動(しゅんどう)」をまとめたもので、16年5月1日に刊行された。日本会議の内実が批判的に紹介されている。

   しかし、出版からほどなく「異議」が申し立てられた。日本会議が扶桑社側に「申し入れ書」を送付したというのだ。

   一体どんな内容なのか。日本会議の広報担当者はJ-CASTニュースの5月10日の取材に対し、「扶桑社側からの回答を待っている段階であり、現時点で申し入れ内容を当方側から明かすことは差し控えたい」と回答した。とはいえ、書籍の内容から推測する限り抗議の可能性が高い。

   扶桑社といえば、保守系の論陣を張る産経新聞と同じフジサンケイグループに所属し、日本で唯一の皇室専門誌『皇室』、日本で唯一の自衛隊オフィシャルマガジン『MAMOR』(マモル)を刊行している。

   そうした背景もあってか、騒動が報じられると

「訳が分からない。内ゲバ?」
「扶桑社から何故出版出来たのかは不思議」
「日本会議とフジサンケイは同じ陣営では」

といった声がツイッターに寄せられた。

   「異議」はそれだけにとどまらない。扶桑社の担当者によると、日本会議とは別の一個人からも「出版差し止め」の仮処分を申し立てる、と代理人経由で通告されたという。

   担当者は「すでに係争状態にあると認識している」として通告の方法や内容は明かさなかったものの、「裁判所からの呼び出しはまだ無いが、あれば出廷する」と話す。

著者の菅野さんに話を聞くと...

   「生まれたばかりで」騒動に巻き込まれた本書だが、16年5月10日17時半現在、通販大手「Amazon」では在庫切れ。5日から6日にかけて「本」ジャンルの売れ筋ランキングで1位となるほどの人気を、皮肉にも集めている。

   本書が描いているのは、一民間団体が安倍内閣を陰に陽に支える構図だ。地道に、そして粘り強く政権にアプローチしようとする市民運動の姿を追っている。

   著者の菅野さんに話を聞くと、多くの読者から「日本会議の地道さと運動に対する真摯さに圧倒された」との声が寄せられているという。

「『日本会議は超巨大な悪の組織だ』という勘違いも、『日本会議の影響なんてたいしたことない』という勘違いも両方なくなればいいと思いますね」

また、菅野さんは取材の中で

「(自分は)無名なので基本、誰も会ってくれませんでした。インタビューしたい人には、手紙を書きまくる、日参する、と信頼してもらえるよう努力しました」
「(ハーバー・ビジネスオンラインの連載を続ける中で)『ああ。こいつはちゃんと調べているな』と途中で認めてくれて、連絡をくれるケースも多々ありました」

と執筆時の苦労も振り返った。

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