2024年 5月 1日 (水)

有名マンガ家「贋作」?サイン色紙が大量出品 ヤフオクで次々「落札」の怪

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   ヤフー!オークションに、鳥山明、石ノ森章太郎、松本零士、北条司といった錚々たるマンガ家のサイン入り色紙が大量に出回っている。

   しかし、マンガ家本人の直筆を謳っているものの、絵はヘタクソで、マンガのタイトルだけでなく、マンガ家本人の名前すら間違っているものもある。不思議なのは一目で贋作と気付くものばかりなのだが、ヤフオク上、色紙は順調に売れていて、落札者は出品者の評価を「非常に良い・良い」としているのだ。

  • これが石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」?(写真はヤフオク出品者ページのスクリーンショット)
    これが石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」?(写真はヤフオク出品者ページのスクリーンショット)
  • これが石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」?(写真はヤフオク出品者ページのスクリーンショット)

「DRAGON BALL」のトランクスの絵に「悲しいなぁ」

   漫画家の偽の自筆サイン入り色紙がヤフオクに出品され騒動になる事は以前からあった。2015年6月には鳥山さんの大人気マンガ「DRAGON BALL」の悟空が描かれたサイン色紙がヤフオクに出品され90万円の高値が付いた。もちろん偽物だったが、この時は「もしや?」と思わせるほど出来が良かった。

   そして16年7月に入り、同じく「DRAGON BALL」のトランクスの色紙が出品されていると話題になった。今回の話題の原因は、先の悟空とは違って「絵がヘタクソ過ぎる」というもの。商品説明には、

「タイトルにある先生が描かれた直筆のサイン色紙です。イラスト部分もサイン部分も直筆になります」

とあるが、あまりにも本物と違いすぎることが明白なためか、

「悲しいなぁ」
「なんやこれいったい...」

といった声がネットで流れた。にもかかわらず、16年7月4日までに入札が24あり、5501円で落札された。出品者側の即決価格は2万9800円だった。

   この出品者はネット上ではちょっとした有名人で、「トラブル情報交換スレ」というまとめサイトも出来ている。問題になるとIDを変えて、著名なマンガ家の偽のサイン色紙を出品し続けているからだ。色紙を描いているのは出品者本人なのだろうという見方がもっぱらで「画伯」などといったあだ名も付いている。描き続けているせいか、以前よりも上手になった、という評価もある。過去には幼稚園児が書いたような「サイボーグ009」と、日本語が不自由な人が書いたようなタイトルの色紙を出したり、サインで「松本零士」の「士」が抜けていたり、大人気マンガ「CITY HUNTER」のタイトルを「CHY HUNTER」と書いたりもしていた。この「CHY HUNTER」、さすがに落札価格は131円だった。しかし、中には20万円近い高値を付けたものもある。そして驚くのは、こんな色紙でも売れ、出品者は落札者から高評価を受けていることだ。

「出品者本人が入札?」「知らずに外国人が?」

   この出品者は現在のIDに変えて以降、落札者から46個の評価を受けていて、なんと「非常に良い・良い」がうち44個で、良い評価の割合は95.7%。16年1~5月までに概算で約250万円の売り上げがあった、などとネットで話題になった。

   一方で、「普通」はゼロで、「非常に悪い」との評価は2件だった。「非常に悪い」という評価の中身には、実際に住んでいない住所を落札者に教えたり、出品者に対し「偽物販売リスト」に名前が掲載されていることを伝えたところ、落札者の評価を下げる嫌がらせをされたりした、などというものがあったという。

   不思議なのは、こんな出品者なのに落札する人が絶えないこと。そのためネット上では、

「中学生が描いたようにしか見えないのに、入札する人は気付かないもんかねぇ。ファンなら一発で分かりそうだが」
「また評価が上がってる。なんなの落札者バカなの?」
「下手すぎる。詐欺だってバレバレなのになぜ捕まらんの?」

などといった感想が掲示板に出ている。

   さらに、「実は入札してるのは出品者本人じゃないのか?」、「外国人が知らずに買っている可能性もある」、「買っているのはマンガを知らない人たち」といった推測も出ているが、事実はどうなのか分からない。

   他にも偽のサイン色紙を出品している人は多数いて、やはり高値が付いたりしているため、ネット上では警戒を呼びかける声が高まっている。

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