2018年 12月 12日 (水)

アポロ宇宙飛行士は心臓病死が多い 放射線にさらされDNAがボロボロ

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   有人月探査の「アポロ計画」で宇宙に旅立った宇宙飛行士は、心臓病や血管の病気での死亡率が非常に高いという研究結果がまとまった。

   米フロリダ大学のマイケル・デルプ博士が、英科学誌「サイエンス・リポーツ」(電子版)の2016年7月28日号に発表した。

低周回軌道の宇宙飛行士の4~5倍の死亡率

   アポロ計画は、米航空宇宙局(NASA)によって1961年に始まり、1968~1972年の間に11回の有人宇宙飛行が行なわれ、24人の宇宙飛行士が地球磁気圏を越え宇宙空間へ飛行した。2016年7月現在、その24人のうち8人が死亡し、そのうち7人が今回の研究対象になった(残り1人は研究終了後に死亡)。

   研究チームによると、7人のうち3人(43%)が心血管の病気で死亡した。心血管の病気とは、心臓発作、脳動脈瘤、脳卒中などが含まれる。「7人の死因を一般の人の死因と比較すると、混乱を招く結果になります」とデルプ博士はいう。宇宙飛行士は、一般レベルをはるかに超えた健康状態の人が選ばれて厳しい訓練を積み、健康志向が極めて高い。また、現役引退後も生涯にわたり最高級の医療ケアを受けることができるからだ。

   そこで、研究チームは、同じ宇宙飛行士たちと比較した。宇宙飛行士たちを「地球待機組」(後方支援のため地上勤務)、「低周回軌道組」(国際宇宙ステーションのように地上近くにとどまる)、「磁気圏外の宇宙空間組」の3つのグループに分け、死亡原因を比較した。その結果、がんや事故死に関しては差がなかったが、心血管の病気による死亡が「地上待機組」が9%、「低周回軌道組」が11%だったのに対し、「43%」と異常に高い数字になった。これは「4倍から5倍」に匹敵する割合だ。

   この結果について、デルプ博士は「国際宇宙ステーションは磁気圏内で、地球の磁気によって銀河放射線(宇宙線)から守られています。その圏外の宇宙空間では、これまでの想像を超える高エネルギー粒子の宇宙線が飛び交っていると考えられます。その粒子が皮膚を貫通し、細胞やDNAを損傷するため心血管の病気が多くなるのでしょう」とコメントしている。

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