人工透析ブログ「当社団の公式見解でない」 長谷川豊氏が理事の医師団体「医信」が謝罪

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   元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さん(41)が書いた人工透析患者にまつわるブログ記事の主張について、長谷川さんが理事を務める一般社団法人「医信」が2016年9月26日、公式サイト上で「(医信の)公式見解ではない」との文書を発表した。

   その上で「医信」は、同文書の中で「多くの方々に不快な思いや誤解を招く」表現があったことを認め、「代表理事ほか理事一同」名で謝罪を表明した。

  • 長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)
    長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)
  • 「医信」公式サイトに掲載された文書
    「医信」公式サイトに掲載された文書
  • 長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)
  • 「医信」公式サイトに掲載された文書

2016年6月結成の若手医師の団体

   「医信」は「メディカルリテラシーを、育む」を理念に掲げ、若手医師が中心となって16年6月に結成した団体。理事の1人である長谷川さんが「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」というタイトルのブログ記事を書いて「炎上」したことを受け、医師の団体として見解を発表せざるを得なくなったとみられる。

   同団体はブログ記事の投稿について「長谷川自身が義憤に駆られ、独自の取材と倫理的判断に基づき行ったものであり、当社団の公式見解ではありません」と説明。その上で、

「該当記事の表現は、過激かつ扇情的であり、多くの方々に不快な思いや誤解を招く表現であったことを認め、当社団理事一同、深くお詫び申し上げます」

と、謝罪した。ただ一方で

「人工透析のみならず、現代の日本では個々の患者-医師関係から成り立つミクロな医療経済の積み重ねが、日本全体でのマクロな医療経済の圧迫につながっている現状があることは、事実です」

と、長谷川さんの主張について、問題提起としての理解も示している。

   最後には「当社団では現代の日本で実際に行われている医療行為・医療政策・医療システムなどに関して、医学的見地から精査を行った上での情報発信を続けていく所存です。その発信を基にして、今後の日本経済や医療のために論理的かつ実践的な議論の場が構築されることを社団理事一同、願っております」と締めくくった。

長谷川氏は「殺せ」記事のタイトルを変更

   長谷川さんは19日のブログの中で、現状の健康保険制度および年金制度を問題視する中で、日本における人工透析患者に言及。その多くは、医師からの注意を無視して自堕落な生活を送り続けた結果、透析を受けざるを得なくなった「自業自得」な患者だと主張していた。

   このブログに対しては非難の声が数多く上がり、ネット上は「炎上」状態となった。ブログ記事を転載していたニュースサイト「BLOGOS」は22日、「不適切な表現が含まれている」として、記事を削除した上で謝罪。23日には全国腎臓病協議会が「透析患者に対する誤った認識を社会に印象づけるものであり、強い憤りを覚えます」として、「発言の撤回と謝罪の掲載」を求める抗議文を公表する事態に発展していた。

   こうした中、長谷川さんは25日に19日付ブログのタイトルを変更。「殺せ」といった過激な表現を消し、

「医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」

とした。理由については、ブログ下に加えた注釈で「本コラムのタイトルなどが、悪意を持って拡散され、真面目に治療を受け、本当に苦しんでいる透析患者の方々の気分を害するような拡散がされている」ためと説明している。

   なお、長谷川さんは26日19時現在、「医信」の公式サイトの文書については触れていない。

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