2016年9月21日にJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントから発売された「インドカレー屋のBGMデラックス」が、秘かな人気に沸いている。「インドカレー屋のBGM」シリーズはこれまで5作がリリースされている。最新作は、ここ数年のインドカレー屋のBGMを改めて研究し直し、「ノリのよさやわかりやすさ」を重視しながら、300曲の中から選曲した。「謎の音楽だから、どこで買ったらいいのかわからない」町のインドカレー屋に行くと流れてくる、独特の甲高い女性ボーカルやウネウネとうねるようなエスニック感たっぷりなメロディーが気になる人は、「インドカレー屋のBGM」シリーズを1度は聴いてみてもいいかもしれない。ビクターエンタテインメントストラテジック制作部は、「イメージとしてはインドの『J‐POP』みたいな楽曲ですね」と話す。「インドカレー屋さんに行くとよく聴くけれど、タイトルも歌っている人も、歌詞もわからない『謎の音楽』。だから、どこで買ったらいいのかもわからない。でも、気になる。そんなインドカレーファンが少なくないのではないかと思い、『そうであれば作ってしまえ』ということになりました」と、きっかけを説明する。第1弾の「インドカレー屋のBGM」は、インドカレー屋を1軒1軒くまなく回り、BGMを徹底調査。インドカレーの味を、ひと味もふた味も押し上げてくれるような「謎」のBGMが、インドの映画音楽、いわゆる「BOLLYWOODMUSIC」であることをつきとめ、よく使われている楽曲を精査し、2005年7月に発売した。リリースされるや否や、インドカレー屋の「謎の音楽」を疑問に思っていたカレーファンから大きな反響があり、シリーズ化。このCDを聴けば、自分の部屋が瞬く間に妖しいアジアンな雰囲気になるという「激辛編」や、ボーカルなし、シタールとタブラの音色がクセになりそうなインストゥルメンタル集の「ライス抜き」。女性ボーカルばかりを集めた「WOMAN」、日本では1998年6月に公開された、ラジニ・カーント主演のインド映画「ムトゥ踊るマハラジャ」の主題歌を一挙収録した「踊るマハラジャ編」の4作を相次ぎ発売。累計で2万枚を超える驚異のロングセラーを記録した。ビクターエンタテインメントは、「インドカレー好きや(インド音楽)マニアの人などが、自宅で雰囲気を楽しむのに買っていくケースが多いようです」とみている。空耳歌詞だと「カイワレ、VERYでっけえ茶碗にこれでっけえ」そうしたなか、2016年9月21日に発売した最新作「インドカレー屋のBGMデラックス」は、「RADHARANI(空耳日本語の歌詞で、ギャラタダに何故?)」「TAKITAKI(瀧だ!瀧だ!)」「CHAARDINKICHANDNI(ボロボロ、どんな?)」などの全11曲を収録し、「伝説のバカCDが10年ぶりにリニューアル」とPRする。発売から1週間で約2000枚の滑り出し。「これまでもジワジワと売り上げを伸ばしてきました」と話し、ゆっくり浸透していくことを期待。年間1万枚が目標だ。さらに、特製「空耳日本語歌詞カード」のおまけ付き。ところどころ日本語のようにも聞こえるインド音楽を、歌詞カードを見ながら日本語で一緒に口ずさむことができる。たとえば、「NAINOMEINSAPNA(ねえ、飲め。3分な)」の歌詞には、「カイワレ、VERYでっけえ茶碗にこれでっけえ」「箸の木、VERYでっけえ」「でっけえ・・・『ほう!ほう!』・・・と、引いちゃうガヤ」と、本来の歌詞の意味とはまったく関係ないし、意味も不明だが、原詞では覚えられない歌詞が「空耳日本語」でなんとなく覚えられて、歌えるという不思議な体験ができる。すでに手にした人だろうか、インターネットには、「とりあえず、怪しいジャケットと怪しいタイトルに好奇心をくすぐられて購入...」「軽いノリのダンス風で聞きやすいですよ。瞑想したりするには不向きですがwww」「なぜこのCDの話題が、と思ったものの、こんなに続編が出てたと知って驚愕w」「毎朝出勤する時に聞いてます。テンション上がります!」「最新のインド・ポップスのオムニバス盤として聞けますよ」「タモリ倶楽部のTシャツほしいんだけど、空耳に応募しても大丈夫かなwww」といった声が寄せられている。ビクターエンタテインメントは、「インドカレー屋で、なんとなく『ああ、こんな感じのが流れていたな』と感じていただけるかと思います。ご家庭でインドカレーと一緒に楽しんでください」と話している。
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