2024年 5月 4日 (土)

試合前日のセックスは「オッケイ」だった サッカー・ロナウドも「集中力高まる」

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前日にした方がマラソンの記録は伸びる?

   さて、フィレンツェ大学の研究を紹介しよう。研究チームは、過去に発表されたスポーツとセックスに関する512本もの論文を精査した。そして、その中で特に直前にセックスを行なうことが、運動パフォーマンスに与える影響を調べた論文に絞って9本を選び、詳細に分析した。たとえば次のような論文だ。

(1)市民マラソンのランナーを対象に、大会前日にセックスをしたかどうかと、大会での体調を聞き、セックスをした選手としなかった選手の記録を比較。


(2)女性アスリートを前日にセックスをするグループと、少なくとも6日間以上禁欲するグループに分け、体力測定を行ない、比較。


(4)男性アスリートを、前日にセックスをした場合と、一定期間禁欲した場合との握力をそれぞれ測り、比較。


(5)男女アスリートを、前日にセックスをした場合と、一定期間禁欲した場合とに分け、テストステロンの分泌量を比較。


   この論文例を見てもわかるが、試合前のセックスが実際の試合に与える影響を具体的に直接検証した研究がまったくないことに驚く。試合の勝敗などは選手の心理、ゲームの流れ、相手の力量など様々な要因が複雑にからみ、科学的に立証するのが難しいからだ。

   研究リーダーのステファニー助教授も論文の中でこう語っている。

「9本の論文の中には、試合前のセックスが運動パフォーマンスに悪影響を与えるという科学的根拠を示したものはありませんでした。マラソンの例などはむしろいい結果を出しています。女性アスリートの体力測定や男性アスリートの握力測定では、両者の差はみられません。このほか、睡眠不足の研究、テストステロンの分泌の研究でも、前日のセックスが運動能力を落とすという結果は見つかりませんでした」

   つまり、これまでの膨大な数の研究をもってしても、セックスが悪い結果を引き起こすことは証明されなかったというわけだ。

   ステファニー助教授は最後にこう結論づけている。

「結局、この問題はこれまで十分に検証されることがなく、コーチや選手などの個人的な体験談として語られてきました。ストレスの解消や睡眠効果などを考慮すると、性活動はむしろスポーツの成績に有益な影響を与えると考えられます。ただし、試合の2時間前までに行なうことが条件ですが」

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