「森のくまさん」作詞家にも関心 替え歌販売に慰謝料300万円

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   童謡「森のくまさん」の替え歌を歌ったタレントなどに対し、原曲を訳詞したとされる作詞家が著作者人格権の侵害だとして、CDの販売中止などを求めた。ただ、作詞家にも過去の経緯について様々な指摘がなされており、ネット上で論議になっている。

   替え歌は原曲のパロディーで、ユーチューブ上に公開された動画では、お笑い芸人のパーマ大佐さん(23)がウクレレを弾きながら、まず有名な童謡のイントロ部分を歌う。

  • ユニバーサルミュージックのCD販売サイトから
    ユニバーサルミュージックのCD販売サイトから

替え歌が歌詞の情感に合わないと拒否

   続いて、オリジナルのメロディーと歌詞が追加され、クマと恋に落ちた女性が警察から逃げる様子が歌われる。童謡は、その後も合間に引用されながら、そのままの歌詞で歌われている。動画では、タレントの鈴木奈々さん(28)が女性役を引き受け、着ぐるみのクマとともに出演している。

   これに対し、作詞家の馬場祥弘さん(72)が2017年1月18日、訳詞を無断で改変されたとして、パーマ大佐さんとCD発売元のユニバーサルミュージックに対し、CDの販売中止や動画削除、慰謝料300万円の支払いを求める通知書を送った。対応がなければ差し止め請求や刑事告訴も行う構えだ。馬場さんの代理人をしている三木秀夫弁護士が18日に大阪市内で記者会見をして明らかにした。

   会見報道によると、ユニバーサルミュージックが16年11月ごろ、著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)を通じて、歌詞を追加することの承諾を馬場さんに2度要請したが、馬場さんは拒否した。替え歌が歌詞の情感に合わないといったことが理由だった。ところが、12月になって、ユニバーサルミュージックから、本人から承諾をもらったとしてCDのサンプルが届いたという。

   ネット掲示板などでは、「許可取らなかったのはまずい」「いきなりCD送り付けはないんじゃない?」などとCD発売に批判的な声もあるが、馬場さんに対しても、訳詞者になった経緯について様々な指摘が出ている。

アメリカ民謡を「作詞・作曲」で登録から

   「森のくまさん」は、1972年にNHKの音楽番組「みんなのうた」で初めて紹介された。アメリカ民謡であることは分かっていたが、当初は、日本語の作詞者が分からなかった。

   童謡を編曲した玉木宏樹さんが2010年に出版した著書「贋作・盗作音楽夜話」(北辰堂出版刊)などで明かしたところによると、数年後に馬場祥弘さんが自ら作詞・作曲したと主張し、文化庁にも直訴した結果、著作権が認められてJASRACに登録した。NHKのプロデューサーらによるその後の調査で、原曲の楽譜が見つかり、馬場さんは訳詞だけの登録になった。訳詞も、原曲の英語歌詞からかなり改変が加えられていることが分かった。

   JASRACの広報部では1月19日、「森のくまさん」が馬場さんの作詞・作曲として登録された経緯について、「個別契約のことについては、お話しはできないです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。そのうえで、一般論として、訳詞も含めて本人が作ったという証明は難しいため、申し出があれば原則としてそのまま認めていると説明した。訳詞を登録するに当たっては、原曲に忠実かどうかは考慮されないとしている。

   なお、著作者人格権は本人が持っており、JASRACは管理していないため、ユニバーサルミュージックには馬場さんの意向を伝えただけだという。

   一方、ユニバーサルミュージックは、どんな判断でCD発売を決めたかについて、「適切な手続きを踏まえ発売しました。現時点で書面が届いていないので、これ以上のコメントは差し控えさせて下さい」と取材に答えた。

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