エビ中・松野莉奈を襲った「不整脈」 AEDはどう使えばいいのか

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   18歳の若さで急逝したアイドルグループ「私立恵比寿中学」の松野莉奈さんは、高校に入学したころ既に「不整脈がある」と診断され、持病として抱えながら芸能活動を続けていたという。

   突然意識を失った人に対して取り得る処置のひとつに「AED(自動体外式除細動器)」の使用があるが、具体的にどのような状況下で使えばよいかと判断に迷う人も少なくない。もし、目の前の人が意識不明になり、その原因が不整脈かもしれない場合、その人にAEDを使うべきなのだろうか。

  • さまざまな場所に設置が進んでいるAED
    さまざまな場所に設置が進んでいるAED

機械が診断、必要がなければ電気は流れないAED

   2017年2月16日付の「女性自身」ウェブ版は、松野さんが通っていた都内高校の教頭の話として、松野さんは高校入学当初の健康診断で不整脈があると診断され、持病として抱えていた。一方で、「体育の授業も普通に受けていたほど日常生活に支障はなかった」という。

   松野さんは2017年2月7日に体調不良のため出演予定のイベントをキャンセルして休養を取った。しかし、翌8日早朝に容体が急変し、両親が119番通報した。救急隊が駆けつけた時には意識不明の状態で、病院に搬送されたが意識が戻らず、死亡が確認された。所属事務所は10日、死因を「致死性不整脈の疑い」と発表している。

   一般に、意識不明の人にはAEDの使用が考えられるが、不整脈が原因と思われる発作を起こして意識を失った場合に使ってよいのか。立川病院院長で一般財団法人・日本AED財団理事長の三田村秀雄氏はJ-CASTニュースの取材に対し、「まずAEDの使用を考えた方がいいでしょう」と話す。

「ほとんどの場合、意識を失った原因はその場では分かりません。AEDは電気ショックを与える救命道具ですが、その前に機械が診断をし、どうすべきかを音声で教えてくれます。しかも必要がなければ間違えてボタンを押しても電気ショックは流れない仕組みになっています。AEDの使用によって命が助かることはあっても、病状が悪化することはありませんので、『意識がない』『声をかけても反応がない』『呼吸がないかいつもの呼吸と違う』という場合には、ちゅうちょなく使用してほしいです。119番通報や、AEDが到着するまでと電気ショック後の心臓マッサージ(胸骨圧迫)も忘れないようにしてください」

1分遅れれば、助かる確率は10%ずつ下がる

   消防庁の発表によると、救急車を呼んでから現場に到着するまでには全国平均で8.6分かかる。三田村氏は「致死性不整脈の場合、電気ショックを与えるのが1分遅れる毎に、助かる確率が10%ずつ下がると言われています。救急隊が来るまでの間、その場にいる一般の人がどう行動するかで、助かるかどうかが大きく変わります」と話す。

   なお「不整脈」ひと口に言ってもさまざまな種類があり、すべてが命に関わるわけではない。ただ、三田村氏によると「不整脈が原因で過去に、一度でも失神した経験がある人は、突然死のリスクが高いと考えた方がよい」。そこで重要な役割を果たすのがAEDだ。

   しかし、駅やビル、スポーツクラブ、学校などの施設に普及が進んでいるものの、自宅にあるという家庭は少ない。家族が自宅で意識不明になった場合に備えるには「家の近くでAEDを設置している場所をあらかじめ把握しておくのがよいでしょう」と三田村氏は話している。

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