2024年 4月 25日 (木)

「小学一年生」付録に大人大興奮 サンプラー欲しくて「ダッシュで買った」

   小学館の児童向け学習誌『小学一年生』の付録として、テクノミュージックやヒップホップの分野ではお馴染みの電子楽器「サンプラー」が登場したことが、音楽ファンの間で大きな話題を呼んでいる。

   「雑誌の付録ってレベルじゃない」「買わなきゃ」――。インターネット上には、小学生向けのふろくについて興奮気味に語る「オトナ」が続出。こうした「小学生以外」からの反響を、同誌編集部はどう受け止めているのか。編集長に聞いた。

  • 「ドラえもん うたって!こえピアノ」
    「ドラえもん うたって!こえピアノ」
  • 「ドラえもん うたって!こえピアノ」

「スーツで小学一年生買うのはキツかった」

   2017年4月1日発売の『小学一年生 5月号』(税込1480円)には、「ドラえもん うたって!こえピアノ」という付録が付いてくる。これは、マイクで録音した音声を、音階をつけて再生できる機能を持った「サンプラー」と呼ばれる電子楽器の一種だ。

   本体の上部には「ドラえもん」のフィギュアが設置できるなど、見た目はかわいらしいがその機能は本格的。録音した音声は自動でピッチ(音の高低)が調整され、16ある鍵盤に振り分けられる。後は鍵盤を叩くだけで、マイクで録音したサウンドに音階をつけて演奏できるのだ。

   実際に記者も触ってみたが、何よりも驚いたのは音階がきちんと鍵盤に振り分けられている点だ。鍵盤を押してから音が流れるまでの反応速度も良く、「付録のオモチャ」というより、しっかりとした「楽器」に近い印象を受けた。

   もちろん、高価な機材と比べれば限定的な機能しか持たないことは確か。とはいえ、児童向け学習誌の付録として「サンプラー」が付いてきたことに音楽ファンは大興奮。ツイッターやネット掲示板には、

「待って小学一年生にサンプラー付いてんの!? 買わなきゃ」
「おれが小学一年生の時はこんな高性能なサンプラーなかったぞ...」
「あまりに自分が欲しすぎて さっきダッシュで買ってきてしまった」

といった書き込みが相次いでいる。なかには、「スーツで小学一年生買うのはキツかった」とぼやくユーザーも出ていた。

   すでに、この「うたって!こえピアノ」を楽器として使った演奏動画は多数公開されている。それだけではなく、付録を分解して新たな部品を追加し、より本格的な電子楽器へと「改造」するユーザーまで登場している。

「本誌の方にも注目していただければ」

   こうした「大人からの反響」について、『小学一年生』編集部はどのように受け止めているのか。渡辺朗典編集長は4月7日のJ-CASTニュースの取材に、

「もちろん子供向けに作ったものですので、大人を狙ったわけではありません。ですが、専門的な知識を持っているような人も好意的に反応してくれているのは、本当にうれしいです。だって、大人が本気で遊べるものは、絶対子供が遊んでも楽しいじゃないですか。そういう意味では、自信にもなります」

と話す。続けて、「大人が買い過ぎて子供の手に届かないような事があれば問題ですが、今のところそうした状況でもないので...」と笑っていた。

   実際、同誌編集部も「大人」のファンに向けた動きを見せている。公式サイトには4月4日付で、「編集部は、付録の改造を推奨しておりません」としつつも、「今回のうたって!こえピアノ」の改造方法を解説する記事が掲載されている。

   そもそも、なぜ「サンプラー」を付録にしようと考えたのか。渡辺編集長は「今年の『小学一年生』は、これまでより付録を豪華にしようと考えています」とした上で、

「今までにない音モノ付録を編集部で考えたときに、ふと出てきたのが『サンプラー』というアイデアだったんです。正直、最初は『本当に付録にできるのだろうか』とも思っていて、実現したときは編集部も驚きました」

と話す。また、付録の発売号が入学シーズンと被ることから、「子どもが新しい友人をつくるコミュニケーションツールになって欲しい、そんな狙いもあります」とも説明した。

   このように今回の付録について語った上で、渡辺編集長は「付録が話題になっているのはありがたいのですが、本誌の方にも注目していただければ」とも漏らす。その上で、

「本誌の方も付録と同じくらい力を入れて作っています。今年からは付録と誌面の内容を連動させることがテーマの一つで、5月号でも40ページ近い『音楽特集』を打っていますから」

としていた。

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