2024年 4月 17日 (水)

なめちゃいけないネコの癒しパワー 死亡率30%低下の調査も

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   2010年をすぎたころからネコブームが始まったという。14年にペットとしての数がイヌに肉薄、その経済効果の大きさから15年には、アベノミクスをもじった「ネコノミクス」という新造語が誕生した。

    ネコはブームになって経済効果をもたらしたが、ブームになった背景には、健康効果や癒し効果につながるネコの不思議な力があるようだ。

  • 目を回さずに癒されて…
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ペット数でイヌに追いつき追い越せ

   ペットフード協会が17年1月に発表した「16年全国犬猫飼育実態調査」によると、全国の16年の推計飼育数は、ネコが984万7000匹、イヌが987万8000匹だった。 5年前の同調査によるとネコ960万6000匹に対しイヌ1193万6000匹だった。

   ネコの飼育数が増える一方で、なんらかの事情で飼えない人のためのビジネスも拡大。04年に国内初とされるネコカフェが大阪に登場し、それ以後全国で増え続け、環境省によると15年には314店に。、地域でネコを見守る街ネコの保護活動が各地で行われている。

   テレビなどのメディアでは、世界各地のネコを映像に収めたドキュメンタリーや、住民の数よりネコの生息数が多い、いわゆるネコ島を紹介する番組が目立つ。

   こうしたブームの担い手であるネコ好きたちが、ネコの魅力を探ろうとして行き当たるのがネコが持つ不思議な力のようだ。「ゴロゴロにいやされる」「肉球がたまらない...」などなど。ネコの癒し効果は、感覚的なばかりではなく、学問的な研究の対象になっている。

   16年6月に放送されたEテレ「サイエンスZERO」ではネコと人間の関係について特集し、このなかでイヌとネコをなでているときの人間の脳の活動を調べた実験を紹介。東京農業大学の内山秀彦准教授が、脳の血流を調べられる「光イメージング脳機能測定装置」を使い40人を対象に実施したところ、猫と触れ合ったときの方がイヌを撫でたときより脳の活動が活発になったという。

ストレスを軽減に貢献

   米国ではイヌより1000万匹も多い約8200万匹のネコが飼育されており、ネコを対象にした研究も盛んのようだ。

   08年2月にニューオリンズで開かれた米脳卒中協会で、ミネソタ大学脳卒中研究所(ミネソタ州ミネアポリス)のアドナン・クレシ博士は、10年間にわたり4000人以上を対象にした調査の結果として、ネコを飼っている人は飼っていない人より、心臓の疾患で亡くなる確率が30%低かったと発表して注目を集めた。

   調査は30~75歳の米国人4435人が対象。このうち2435人がネコを飼っていた。「ペットがストレスを軽減するのだろう」と博士。イヌでも同じ効果を得られる可能性があるが、この調査では、そのことを調べられるのに十分なイヌの飼い主がいなかったという。

   クレシ博士自身も「ニンジャ」と名付けたネコを飼っている。調査結果について「理論的にはあり得ること。だが、割合の高さは予想以上」と述べている。米国では「ネコと飼い主の病気を結びつけるのには無理がある」と、調査結果に否定的な獣医師らもいる。

「ゴロゴロ」音のヒミツ

   ネコがノドを鳴らす「ゴロゴロ」音に癒し効果があるとブログなどで発信しているネコ好きの人たちが多い。米国では実際にこれを計測したというレポートも。

   ノースカロライナにある研究施設の生物音響学者、エリザベス・ムゲンサラ―さんがさまざまなネコ科の動物の「ゴロゴロ音」を録音して解析したところ、イエネコのそれの周波数レンジは25~50ヘルツだった。音をめぐる研究で、ヒトなどが20~50ヘルツの音にさらされると骨密度が高まり痛みがやわらぎ、腱や筋肉への癒し効果があること分かっており、ネコのゴロゴロ音はまさにこれにあてはまるという。

   チーターやオセロット、ピューマ、サーバルキャットなどほかのネコ科の動物のゴロゴロ音は20~140ヘルツで、なかには150ヘルツもあった。

   ネコはまた自らの治癒力が高く、仮に骨折するようなことがあっても回復が早い。また病気などで手術をしても術後の合併症などもほとんどないという。

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