2018年 12月 10日 (月)

Jリーグトラブル今度は徳島 ボールボーイに乱暴したワケ

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   サッカーJ2・徳島ヴォルティスのDF馬渡和彰(25)が、試合中にボールボーイに乱暴をはたらき、レッドカードで一発退場になった。試合後には、別のボールボーイに対して徳島サポーターが液体をかける事態も起きた。徳島は公式サイトでこれら2件について謝罪文を掲載した。

   トラブルの瞬間、スタジアムは騒然となっていた。その時、何が起きていたのか。なぜボールボーイに乱暴したのか。

  • 徳島ヴォルティスが謝罪文を発表した(画像はクラブ公式サイト。編集部で一部加工)
    徳島ヴォルティスが謝罪文を発表した(画像はクラブ公式サイト。編集部で一部加工)

ボールボーイは対戦相手のユースチームに所属

   J2第10節、徳島ヴォルティス対ジェフユナイテッド千葉戦が2017年4月29日にジェフのホーム(フクダ電子アリーナ)で行われ、0対0の前半14分に「事件」が起きた。

   徳島陣地から左サイド深くのスペースに放り込まれたロングボールに馬渡が反応したが、同時に千葉のGK佐藤優也もペナルティエリア外に飛び出していた。両者は交錯しながらも先に佐藤が触れ、タッチラインにボールを蹴り出したように見えた。ゴールマウスがガラ空きになったため、すぐに再開すればゴールになると思ったのだろうか、馬渡はボールボーイに近寄りながらボールを要求した。だが、馬渡の望むタイミングでは渡されなかった。そのため馬渡は投げ渡されたボールをボールボーイに弾き返し、さらに肩を突き飛ばした。馬渡にはすぐにレッドカードが提示され、10人になった徳島は前半23分と後半アディショナルタイムに失点。0対2で敗れた。

   騒動はピッチ外でもあった。試合終了後、徳島のサポーターが別のボールボーイに対し、アルコールとみられる液体を応援スタンドからかける行為が確認されていた。ボールボーイはジェフ千葉のジュニアユースに所属する中学生が務めている。

   徳島は翌30日、公式サイトで「クラブとして、2つの事象に対して、多くの皆様にご迷惑をおかけし、不快な思いをさせましたことを深くお詫び申し上げます。当該行為を受けたジェフユナイテッド千葉のボールパーソンの皆様、ジェフユナイテッド千葉の関係者の皆様、ファン・サポーターの皆様、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。馬渡自身も「私が引き起こした行動は、いかなる状況であれこのような行動が認められるわけがなく、あってはいけない行為だったと深く反省しております」などとコメントし、岸田一宏・代表取締役社長も関係者への謝罪とともに「早急に処分内容などの決定をおこない、今後の対応等につきまして、あらためて皆様にご報告させていただきます」と今後の方針を書いている。

謹慎処分の馬渡は練習にも参加させていない

   馬渡にはJリーグ規律委員会の処分が確定するまでの間は「謹慎処分」を通告し、確定後にクラブとしての最終的な処分を決定する。スタンドからの行為はサポーターの特定を早急に進めるという。

   J-CASTニュースが5月1日に徳島広報担当者に取材したところ、馬渡は「クラブの練習にも参加させていません」という。サポーターについては「人物を特定できていませんが、レッドカードを受けたことに対する『八つ当たり』と取られても仕方のない行為だと思っています。特定できれば、入場禁止等の厳正な処分を科すことになると思います」と話している。

   馬渡退場のシーンで、ボールボーイには徳島主将のMF岩尾憲(29)が声をかける場面もあったが、広報担当者によると岩尾は「あの場で申し訳ない気持ちを伝えるには、声をかけ、握手をするのが、あの時できる最善の行動だった」と話していたという。

   馬渡に対しては厳しい声が飛ぶ。インターネット掲示板2ちゃんねる上では試合中から「子供を恫喝 最悪」「ボールボーイ呆然 これはかわいそう」「あそこでキレる要素あんの?」などと書き込まれた。ただ一部には「キーパーがゴール前にいないうちにリスタートしたいわな」と心情を察する声もあった。

徳島ボールか千葉ボールか判然としなかった?

   サッカージャーナリストで審判ライセンスを持つ石井紘人氏はJ-CASTニュースの取材に、問題のシーンについてこう分析する。

「GKの佐藤選手がピッチ外にボールを出したのか、その後に馬渡選手に当たって千葉ボールになったのか、一瞬判然としないように見えました。主審・副審ともに、ラインを割ってすぐには指示を出していませんでした。それでボールボーイも本当に徳島ボールなのか分からなかった可能性があります」

   石井氏は「あのシーン、ボールボーイがボールを渡すのは決して遅かったとは言えません」としつつ、こうも述べる。

「ただ一般的に、ボールボーイがホームチームに有利な動きをする心理がはたらくのは珍しくありません。あの場面はゴールがガラ空きだったので、すぐにリスタートされたら千葉にとってはピンチでした。それで一瞬渡すのをためらったと見ることも可能です」

   それでも「馬渡選手の行為は絶対にやってはいけないことです。Jリーグではボールボーイに怒りの声をぶつける場面は時々ありますが、直接的に乱暴して退場になるのは、私が知る限りでは初めてです」と話している。

   ボールボーイと選手をめぐっては、16年5月29日にサガン鳥栖のホーム(ベストアメニティスタジアム)で行われた鳥栖対浦和レッズ戦で、アウェーの浦和MF柏木陽介が声を荒げる場面があった。0対0で迎えた後半アディショナルタイム、浦和がCKを獲得したが、ボールボーイがボールをすぐに渡さなかったため、時間稼ぎと思ったのか柏木が激高。「お前良いプロになれるのかよ」といった言葉をぶつけるのが中継のテレビ音声に拾われていた。

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