2024年 4月 20日 (土)

日中の主導権争いが勃発 ADB総会の「勝者」は...

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   横浜市で2017年5月初旬に開かれたアジア開発銀行(ADB)の年次総会は、ADB創設50周年、日本での10年ぶり開催という記念すべき節目の会合になった。だが、総会や一連の関連会合では、アジア経済をめぐる日中の主導権争いがたびたび勃発。今後の協調体制における課題も浮かび上がっている。

   「アジアのインフラ需要は膨大な量が見込まれている。質を高めることも重要だ」。麻生太郎財務相は5月6日のADB総会開会式で、質の高いインフラ整備を後押しするADBの重要性を強調し、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)をけん制した。

  • ADB総会の勝者はどうなるか(画像はイメージ)
    ADB総会の勝者はどうなるか(画像はイメージ)
  • ADB総会の勝者はどうなるか(画像はイメージ)

AIIBには批判的な立場

   日本政府は中国が1年半前に設立したAIIBについて、「融資の審査体制が不十分で、運営も不透明だ」と批判的な立場を貫いている。しかし、今やAIIBの加盟国・地域はアジアだけでなく欧州などにも広がり、70に上る。日米が最大出資国のADBの加盟国・地域数67を抜き、存在感は増す一方だ。

   AIIBは、中国が目指す現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を資金面で支える。中国は5月14~15日、北京で「一帯一路」をテーマにした国際会議を開く予定。肖捷財政相はADB総会の開会式で「ADBに一帯一路への支持を求める」と述べ、中国主導のインフラ開発への意欲を隠そうとしなかった。

   自らが主導するADB関連の国際舞台にもかかわらず、中国に押されて影が薄くなりがちな日本は、存在感のアピールに躍起となった。ADB総会に合わせて5月5日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)との会合では、ASEAN各国が金融危機に陥った場合に、最大4兆円規模の円資金を供給する枠組みの創設を提案。米国の利上げや北朝鮮の核開発問題など足元のリスクを踏まえ、危機の発生に備えて安全網を強化することが狙いだが、日本と円の存在感を高める思惑もある。

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