「殺虫剤シュッ」で水槽の魚が全滅 蚊やハエ退治のはずが悲劇に

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   梅雨とともに気温が上昇し、ハエや蚊といった害虫がうっとうしい時期になってきた。近年はデング熱をはじめ、蚊が媒介する感染症も心配だ。

   害虫駆除のため、室内で殺虫剤を使う機会が増えるだろう。だが「使用上の注意」をよく読まないまま噴射したら、かわいいペットが悲劇に見舞われるかもしれない。

  • 殺虫剤を使う前にペットのことを考えて(写真と本文は関係ありません)
    殺虫剤を使う前にペットのことを考えて(写真と本文は関係ありません)

ピレスロイド系の成分は古くから使われている

「水槽のヤマトヌマエビがほぼ全滅」
「うちのメダカも死滅」

   ツイッターには複数のこうした投稿が、2016年6月25日以降寄せられた。メダカもヤマトヌマエビも、自宅の水槽で飼育するペットとして人気だ。投稿者はいずれも、ある家庭用殺虫剤の使用による影響ではないかと指摘した。アース製薬の「おすだけノーマット」だ。薬剤ボトルをセットし、ボタンを1回押して室内で噴霧すると、ハエや蚊が駆除できる。スプレータイプもあるが、効果は同じ。4.5~8畳で1回噴射すれば、ハエは4時間、蚊なら12時間有効だ。

   製品の使用上の注意を見ると、注意事項のひとつにこんな記述がある。

「飲食物、食器、飼料、おもちゃ、観賞魚、小鳥などのペット類、観賞植物にかからないようにすること。特に観賞魚等の水槽や昆虫の飼育カゴがある部屋では使用しない」

   ツイッターの情報だけでは、「おすだけノーマット」とエビやメダカの死との因果関係は証明しきれないが、少なくとも最初から水槽のある部屋でこの製品を使用してはいけなかったのだ。もっとも投稿者のひとりは、この記述内容を事前に把握していなかったと自覚し、「私の不注意」と認めていた。

   「おすだけノーマット」にはピレスロイド系の成分が含まれている。アース製薬のウェブサイトによると、「蚊とり線香の原料として使用されたシロバナムシヨナギク(除虫菊)の花に含まれる成分(ピレトリン、ジャスモリン、シネリン)とよく似た作用・構造の化合物」で、「古くから『家庭用殺虫剤』の殺虫成分として使用されています」とのこと。高い殺虫効果の半面、人や哺乳動物には、分解酵素の働きで速やかに代謝され、尿などで短期間に排出されるので安全性が高いという。

   J-CASTヘルスケアがアース製薬広報室に取材すると、「おすだけノーマット」以外の同社製家庭用殺虫剤にもピレスロイド系の成分が含まれていると答えた。だが「おすだけノーマット」は、観賞魚などを飼っている水槽のある場所で噴霧すると薬剤が水に溶け、中の魚が死ぬ恐れがあるため「使用できません」と注意喚起しているわけだ。

うっかり水槽のある部屋で噴霧したら...

   ペットが犬や猫のような哺乳類なら、ピレスロイド系の成分はそれほど心配ない。では鳥やカメ、爬虫類を飼っている場合はどうか。アース製薬広報室の回答は、「用法・用量どおりにご使用いただいた場合、特に問題ありません」。「使用上の注意」には、これらの生き物に「かからないようにすること」と記載されているので、その点を守って正しく使う必要がある。

   「おすだけノーマット」をうっかり「観賞魚等の水槽がある部屋」で使ってしまい、すぐに気づいたら手立てはあるのか。

「状況により異なりますが、ただちに水槽の水をすべて交換すれば大丈夫かもしれません」(同社広報室)

   水槽の中の生き物を助け出せる可能性はあるが、「絶対」ではない。やはりこうした場所では使わないよう強く意識しておくのが大切だ。

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