2024年 4月 23日 (火)

京産大の提案書→21頁、加計側→2頁 なぜ加計側に軍配が上がったのか

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京産大関係者の吐露

   両者がまだ競合していた16年11月9日の諮問会議で、文科省の制度改正を行う要件として「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」との取り決めが示された。原案にはなかった「広域的に」「限り」が加えられたことによって、同じ関西圏に獣医学部のある京産大は事実上、断念に追い込まれた。取材に応じてくれた京産大の関係者は、「加計学園が首相と親しいことはわかっていた。それでも露骨なことはしないだろうと考えていた。場合によっては、定員をお互いに減らして2校目に認定されることを目指していた。だが、この追加された文言によって断念した」と吐露してくれた。

   さらに「18年4月開学」というリミットが課せられ、年末には獣医師会からの強い要望に配慮する形で「1校限り」が付け加えられたという。

   次回の閉会中審査では、官邸側は前回と同様、議論の焦点を岩盤規制に穴をあけたことや、獣医学部に配慮した形で1校に絞ったことなどにすり替えるだろう。確かに文科省の岩盤規制については、WGによる省庁へのヒヤリングなどで何度も議論を重ねたうえで獣医学部新設にゴーサインが出されている。時代にそぐわなくなって形骸化した規制を排除することに異論はない。獣医師会に配慮した格好で1校に限定したことも、あながちウソとは思えない。

   だが、加計問題の最大の焦点は、岩盤規制でも、獣医師会への配慮でもない。加計学園と京都産業大学の2者が競合するなか、公平性は担保されていたのかどうかの一点だ。二次情報をもとに「言った」「言わない」「記憶にない」の不毛な議論を続けるよりも、一次情報に立ち返って真相に迫ってほしいものだ。

(ジャーナリスト・辰濃哲郎)

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