謎の「自販機観察ブログ」 12年前に始めた「せつない」理由

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   4000日以上にわたって同じ場所にある自動販売機の様子をひたすら観察し続けた謎のブログ「私は毎日(のように)自動販売機の写真を撮っています。こめんなさい。」(原文ママ)が、開設12周年を目前に「とりあえず」、更新終了となった。

   終了の理由は、観察対象だった自販機が撤去されたため。2005年のブログ開設以降、同じ自販機の写真ばかりをほぼ毎日公開し続けてきた。これまでに公開した記事の総数は3000本以上に及ぶ。

  • 2017年7月31日、撤去前最後の自販機写真(画像はブログより)
    2017年7月31日、撤去前最後の自販機写真(画像はブログより)
  • 跡地には何もなくなった(同)
    跡地には何もなくなった(同)
  • ブログ開設直後、2005年の自販機(同)
    ブログ開設直後、2005年の自販機(同)
  • 2008年の自販機
    2008年の自販機
  • 2010年の自販機(本体入れ替えにより二代目)
    2010年の自販機(本体入れ替えにより二代目)
  • 2014年の自販機
    2014年の自販機
  • 2016年の自販機(本体入れ替えにより三代目)
    2016年の自販機(本体入れ替えにより三代目)

撤去され、「とりあえず終了」

   ブログの更新終了は17年8月4日の記事で発表された。観察を続けてきた自販機が1日に撤去され、その後も新しい自販機が設置される様子がないとして、

「とりあえず終了と致します。再び同じ場所に自販機が置かれることがあれば再開します。それまでちょっとさよなら」

と報告した。ブログがスタートしたのは2005年8月5日で、更新終了は開設12周年を迎える目前のことだった。

   このブログの運営者が観察していたのは、札幌市内にある焼肉屋の店先にある自販機だ。約12年、ほぼ毎日のように自販機の元に通い、写真を撮影してブログに掲載。商品ラインナップや本体に張り出された広告が入れ替わると、その「変化」を詳細に伝えていた。

   とはいえ、もちろん自販機の様子が頻繁に変化するわけはなく、投稿されたブログ記事の題名はほとんどが「変化なし」。全3183本の記事のうち、「変化」というカテゴリに分類された記事はたった139本だった。

   ただ、12年に及ぶ観察の過程では、大きな出来事も数回あったようだ。まず、開設から4年ほど経った09年8月7日に、自販機本体の入れ替えがあった。この時の変化について、ブログ運営者は翌日の記事で、

「Edy対応になった、取り出し口が下がった、鍵が厳重になった、(編注・管理端末の)アンテナが見えなくなった、値段が見やすくなった」

と報告。突然の本体入れ替えを知った際の心境については、「(家に)帰ったら嫁が新車に買いかえていたらこんな気分になるんでしょうか」としていた。

震災の「影響」も記録

   その後も、東日本大震災が起きた11年の6月には、震災の影響による供給量不足に対応するためペット飲料のキャップが白無地になるとの告知チラシが本体に張り出されたり、16年7月に2度目の本体入れ替えがあったり......と、このブログは自販機をめぐる様々なドラマ(?)を伝えてきた。

   しかし、なぜ自販機を観察し始めたのだろうか。その理由を、ブログ開設から3年を迎えた08年8月4日の記事で、運営者本人が次のように明かしている。

「妹の一周忌に彼女が好きだった『馬鹿馬鹿しくて無意味なもの』を何か作ってみようと思いつき、その翌日2005年8月5日から記録を始めたのが、このブログを作ったきっかけです」

   また09年8月5日の記事では、「この間抜けなブログがなんと4年も続きました」として、「妹もあちらで呆れてることでしょう」との思いをつづっていた。

   なお、12年にわたって見守り続けてきた自販機の撤去後、運営者は17年8月5日にツイッターを更新。自販機が置かれていた跡地を撮影した写真をアップすると共に、

「設置場所の前側と後ろ側に高低差があったことがわかる」

と新たな発見を報告。その後、9日の投稿では、観察していた自販機が無くなった焼肉屋の外観写真をアップし、「もしかしたら私には見えないだけかもしれません」とどこか寂しげな一言を寄せていた。

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