「牛乳石鹸」広告が炎上、「もう買わない」の声 「意味不明」「ただただ不快」批判殺到

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   牛のマークでお馴染みのロングセラー商品「牛乳石鹸」の広告が、インターネット上で「不快だ」との批判を浴びている。

   物議を醸している広告は、2017年6月に公開された「与えるもの」と題したWEBムービーだ。いったい、何が問題視されたのだろうか。

  • 「牛乳石鹸 WEBムービー『与えるもの』篇」の一場面(画像は牛乳石鹸共進社の公式YouTubeチャンネルより)
    「牛乳石鹸 WEBムービー『与えるもの』篇」の一場面(画像は牛乳石鹸共進社の公式YouTubeチャンネルより)
  • 問題視された「今日も若手社員を泣かせてしまって」のポスター(画像は牛乳石鹸共進社公式サイトの2013年12月のアーカイブより)
    問題視された「今日も若手社員を泣かせてしまって」のポスター(画像は牛乳石鹸共進社公式サイトの2013年12月のアーカイブより)
  • 「牛乳石鹸 WEBムービー『与えるもの』篇」の一場面(画像は牛乳石鹸共進社の公式YouTubeチャンネルより)
  • 問題視された「今日も若手社員を泣かせてしまって」のポスター(画像は牛乳石鹸共進社公式サイトの2013年12月のアーカイブより)

家族思いの父親は「正しいのか」

   6月15日にYouTube上に公開されたWEBムービーは、「父の日」をテーマにした作品だ。約2分43秒の動画で、俳優の新井浩文さんが主人公の男性を演じている。妻と息子と3人で暮らす男性のある一日を描くストーリーだ。

   動画の冒頭で描かれるのは、新井さん演じる男性が出社前に家のゴミ出しをする場面。この男性にとって、今日は息子の誕生日。職場での休憩中には、妻から頼まれた息子のためのケーキとプレゼントを買いに行く。

   ここで、男性の心情を表したかのように、

「あの頃の親父とは、かけ離れた自分がいる。家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」

とのナレーションが読み上げられる。

   その後、プレゼントとケーキを手にした男性は、仕事でミスをした後輩を飲みに連れて行く。居酒屋では、携帯に妻からとみられる着信が入るが、男性はこれを無視する。

   飲み会を終えて帰宅した男性に対し、妻は「何で飲んで帰ってくるかな」と呆れたように一言。これに男性は「風呂入ってくる」と返し、そのまま風呂場へ。入浴シーンでは、牛乳石鹸が大写しになった後、男性は気持ちを切り替えるかのように顔を洗う。

   風呂から出た後、男性は妻に向かって「さっきはごめんね」と謝罪。家族は改めて、息子の誕生日を祝い始める。その後、画面には「さ、洗い流そ」とのキャッチコピーが表示され、動画はそのまま終わる。

「がんばるお父さんたちを応援するムービーです」

   この動画について、牛乳石鹸の公式ウェブサイト上では、「父と子の絆。とある男のなんでもない1日の物語」とした上で、「がんばるお父さんたちを応援するムービーです」と説明している。

   だが、インターネット上では、公開から2か月程が経った8月15日頃から、動画の内容についての批判が相次ぐことになった。ツイッターやネット掲示板には、

「ただただ不快な気分になる」
「子どもの誕生日に飲んで帰って来て何を洗い流すの!?」
「約束しておきながら、ひとりだけ違和感を抱えて約束をたがえる(略)男性が何を伝えたいのか、まったくわからない」

といった声が相次いでいる。そのほか、「本当に意味不明だった」「何を言いたいのこれ...」と制作意図が分からず困惑した様子の投稿も目立った。

   一方、作品が描いた男性の心情に共感するユーザーも少数ながら出ており、ネット上には、

「何を言いたいか、誰をくすぐりたいかはわかる」
「『お父さん』の気持ちが分かる様な気がしないでもない」

などの声も見つかる。ただ、「男としての葛藤、分かるよ、分かります」と理解を示した上で、「でもそれ、牛乳石鹸と関係あるかしら?」との疑問を投げかける意見もあった。

過去のポスターにも批判が「飛び火」

   さらに、今回のWEBムービーの炎上に伴って、過去に制作された牛乳石鹸の広告ポスターにも批判が「飛び火」している。

   ポスターは、ビジネスパーソン風の格好をした女性のモノクロ写真が大きくデザインされたもの。女性はオフィスの一角とみられる場所に立っており、ニッコリとした笑顔を浮かべている。

   女性の顔の左隣には、赤字で「今日も若手社員を泣かせてしまって。自責の念でいっぱいです」とある。さらにポスター下部には、牛乳石鹸の商品写真と共に、

「さ、洗い流そ」

と、WEBムービーと同じ広告コピーが大書されている。

   公式サイトのアーカイブなどによれば、このポスターは2013年頃に制作されたようだ。4年近くも前のポスターだが、先述のWEBムービーに注目が集まったことを受け、改めて批判の目が向けられることになった。

   ネット上では、ポスターの内容が「パワハラ・社内いじめを肯定しているようにも受け取れる」などとして、

「パワハラ擁護か」
「若手社員を泣かせて洗い流そうってどういうこと」
「嫌なことやつらいことがあって洗い流したいのは後輩の方だと思う」

といった指摘が相次いでいる。

   WEBムービーとポスターという2つの広告の内容が物議を醸したことにより、牛乳石鹸という商品にマイナスイメージを抱いたユーザーも少なくないようで、ツイッターなどには、

「牛乳石鹸は買わないわ。刷り込まれました」
「今まで牛乳石鹸使っていたけれど、もう買わないな...」

などと「不買」を宣言する書き込みも出ている。

販売元「お答えを差し控えさせて頂きます」

   いったい、2つの広告の制作意図とは何だったのか。

   J-CASTニュースは8月16日、牛乳石鹸を販売する牛乳石鹸共進社(大阪市)マーケティング部の担当者に、2つの広告の制作意図やネット上の批判を受けての考え、WEBムービーの公開停止を検討しているか、などをファクスで質問したが、

「頂いたお問い合わせに関しましては、まことに勝手ながらお答えを差し控えさせて頂きます」

との回答だった。

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