リクルートへ吹く「追い風」とは 市場から熱い期待

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   人材紹介・派遣大手、リクルートホールディングス(HD)の株式が、「人手不足の国内情勢を背景に業績が向上している」として市場の期待を集めて連日のように、上場来高値(株式分割を踏まえた実質ベース)を更新している。

   2017年8月30日の取引時間中には一時前日終値比13円高の2205円まで上昇、週明け9月4日には2207円の新高値をつけた。5日も一時、2220円と続伸した。2018年4~6月期連結決算(国際会計基準)の内容が好感されたことが要因の1つで、目標株価を引き上げる証券会社も出ている。

国内人材派遣事業の好調さなどが寄与

   リクルートHDが17年8月10日の取引終了後に発表した、4~6月期連結決算によると、売上高にあたる売上収益は前年同期比19.6%増の5243億円。営業利益は12.6%増の563億円、純利益は15.6%増の402億円だった。売上高が伸びたのは、17年3月期に買収し子会社化した、オランダの人材派遣会社「USGピープル」の業績が反映されたことによる。利益には国内人材派遣事業の好調さなどが寄与した。株価に影響したのは利益の動向で、市場予想より上向いたことが国内人材派遣事業の底堅さを投資家に印象づけた。決算発表直前の8月10日のリクルートHDの終値は1931円。ここから上場来高値に向けて15%近く株価が上昇した。

   リクルートHDは4~6月期連結決算発表時に、2018年3月期通期の業績予想は変更しなかった。その据え置いた予想は売上収益が前期比7.3%増の2兆840億円、営業利益は4.1%減の1855億円、純利益は10.7%減の1220億円だ。見かけ上減益になっているが、2017年3月期に株式売却益を計上した反動が大きく、その影響を排除して本業の動向ベースで見れば、営業利益を含めて「実質増益」と市場で判断されている。

43年5か月ぶりの高水準の有効求人倍率

   6月1日に野村証券が「買い」から「中立」に投資判断を引き下げるなど、2017年の前半までは業績の堅調さは認めつつも年初からの株価上昇のピッチに危うさを感じる向きもあった。しかし、8月10日の4~6月期連結決算発表後、市場の反応は強気に傾いている。大和証券は8月15日、投資判断を5段階中最も高い「1」(買い)のまま維持するとした。「1」は、「今後12か月程度の株価のパフォーマンスが東証株価指数(TOPIX)に比べて15%以上、上回る」を意味し、かなり強気の判断だ。目標株価は2633円から2700円に引き上げた。大和は「全部門順調に推移しており、(経営指標の1つである)EBITDAは会社計画を上回っている」と指摘している。ちなみに、EBITDAとは、ざっくり言うと営業利益に固定資産の減価償却費を足したもの。国によって減価償却の手法が違うため、そうした影響を排除した本来の利益を生む力を測る国際指標とされ、海外事業を大きく展開するリクルートHD自身が重視している。

   8月29日に厚生労働省が発表した、7月の有効求人倍率(全国のハローワークで仕事を探す人1人当たり何件の求人があるかを示す)は、前月より0.01ポイント高い1.52倍。バブル期の最高値1.46倍を上回り、1974年2月以来、43年5か月ぶりの高水準だった。「宅配危機」が伝えられる運輸業のほか、製造業の求人の動きが引き続き強いことなどが背景にある。この人手不足の状況がすぐに緩和する要件は見当たらず、それはリクルートHDにとって追い風に違いない。

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