2018年 5月 28日 (月)

子ども向けトイガン「NERF」で眼損傷 「改造」を紹介するサイトも

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   米ハズブロ社が販売している子ども向けの玩具銃「NERF(ナーフ)」は、派手なカラーリングと子ども心をくすぐるスタイリッシュなデザインで、米国の子どもたちに人気の玩具のひとつだ。日本でも業務提携先のタカラトミーから、スポーツシューティング用玩具として販売されている。

   そんなナーフの弾が目に当たり、重度の怪我を負う可能性があるとする症例報告が英ロンドンにあるモーフィールズ眼科病院救急部門によって2017年9月18日、英国医師会誌に掲載された。

  • 男の子ならグッとぐる玩具だが危険も(画像はハズブロ社の商品紹介ページより)
    男の子ならグッとぐる玩具だが危険も(画像はハズブロ社の商品紹介ページより)

弾はスポンジで低威力だが

   ナーフは対象年齢8歳以上の玩具で、バネと空気を利用して弾を打ち出す。弾はBB弾ではなくダーツと呼ばれる縦長のスポンジだ。種類は非常に豊富で、銃タイプのほかに弓タイプの商品も存在する。

   飛距離は種類によって異なり、ハズブロの商品紹介では最大で20メートル近く。弾速や威力は公表されていないが、ユーチューブなどで愛好家が測定している様子などを見ると、平均0.05ジュールほどのようだ。

   日本の法令ではエアガンでも0.98ジュールを超えると銃刀法違反。青少年育成条例で10歳以上18歳以下の場合は0.13ジュール以内のエアガンしか使用できないことになっている。

   これらの数値と比較すると0.05ジュールは低威力のようだが、万が一のことを考えてかナーフのパッケージに人や動物に向けて撃たないよう警告が記載されており、専用の的も販売されている。

   しかし、症例報告で取り上げられた3例はいずれも深刻だ。32歳の男性は8メートル離れた場所から子どもに右目をナーフで撃たれ、弾が目に直撃。内出血を起こし目の中に1ミリ以上の血の塊ができ、さらに「ぶどう膜炎」という眼球内の炎症も発生した。

   43歳の女性は1メートルの距離から右目を打たれ、やはり内出血とぶどう膜炎、一時的な視力の低下が起きた。

   2メートルの距離から右目を撃たれた11歳の子どもは、内出血に加え角膜と網膜が腫れ上がり、まぶたにも外傷を負ったという。

   報告した医師らは「ナーフによって眼に重大な損傷を負ったとする論文は発表されていないが、3例の症例を見る限りそのリスクは非常に大きく、ナーフが安全な玩具であるとは言い難い」と危機感をあらわにしている。

   なお3例とも点眼薬で炎症や出血を治療し、数週間で眼球の状態や視力は正常に回復したようだ。

安全のためにもゴーグル着用を

   この症例を受け、医師らはナーフの対象年齢を上げるか、目を保護するためのゴーグルの着用を義務付けるべきだとしている。成人向けのエアガンを使用したサバイバルゲームなどではゴーグルや顔面全体を保護するマスクを着用するのが一般的だが、医師らも

「ある程度の速度で打ち出される発射物に対しては、相応の防護が必要になる。症例を見てもわかるように、離れていれば安全であるわけではない」

とコメントしていた。ナーフブランドからも付属商品としてゴーグルは販売されているが、ハズブロ社がゴーグル着用を義務付けているわけではない。

   ただし、ナーフのようにスポンジ製の弾を打ち出す玩具はいくつか存在しており、報告もナーフ特有の危険性があると指摘しているわけではない。

   ある患者からは、「ナーフには大人の愛好家も多く、弾速や威力を上げる方法を紹介する動画がユーチューブなどに存在する」と指摘されたという。正規の商品自体には問題がなくても、こうした改造品で重大な怪我が生じる可能性も否定できない。

   ナーフを含め玩具銃によって目に怪我を負うリスクがどの程度あるのかは不明で、これらについては今後さらに症例を集める必要があるとされている。

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