2024年 4月 30日 (火)

長時間労働の部署の社員は賞与減額 「働き方改革」へあの手この手

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   経団連と経済同友会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会など全国110の経済団体が2017年9月22日、「長時間労働につながる商慣行の是正に向けた共同宣言」を行った。

   広告最大手・電通の新入社員が長時間労働で過労自殺した事件などを受け、「働き方改革」への関心が高まる中、経済界として「一企業だけでは解決が困難な商慣習の見直しを強力に推進していく」としている。

  • 「働き方改革」で長時間労働の是正は進むのであろうか(画像はイメージ)
    「働き方改革」で長時間労働の是正は進むのであろうか(画像はイメージ)
  • 「働き方改革」で長時間労働の是正は進むのであろうか(画像はイメージ)

共同宣言で6項目

   共同宣言は「長時間労働を前提とした企業風土や職場慣行を見直す」のが目的で、これだけ多くの経済団体が合同で行うのは初めて。大企業が取引先の中小企業に金曜深夜に電話して、月曜朝までに納品するよう要求するケースなどを想定。(1)関係法令・ルールの遵守に加え、取引先が労働基準関連法令に違反しないよう配慮する、(2)発注内容が曖昧な契約を結ばないよう契約条件の明示を徹底する、(3)契約時の適正な納期の設定に加え、仕様変更・追加発注を行った場合の納期の見直しなどに適切に対応する、(4)取引先の休日・深夜労働につながる納品など不要不急の時間・曜日指定の発注は控える、(5)取引先の営業時間外の打ち合わせや電話は極力控える、(6)短納期・追加発注・高品質など、サービスの価値に見合う適正な価格で契約・取引する――の6項目を具体的に定めた。

   宣言には全国建設業協会、日本建設業連合会、日本人材派遣協会、日本チェーンストア協会など業種別団体や都道府県の経済団体も名を連ねており、大企業から中小企業まで業界を横断的に網羅している。

全国建設業協会も参加

   経団連など経済4団体と労働組合の連合は共同宣言に合わせ、「働き方改革」をめぐる労使シンポジウムを東京都内で開き、参加企業が改革の先進事例を紹介した。

   大和ハウス工業は長時間労働の防止に向け、社内基準を超えて長時間労働を行った部署の社員の賞与を減額する制度を設けたと報告。この結果、「年間の所定外労働時間は1人当たり2012年度の449時間から2016年度は365時間に減った」という。

   宣言には「労働時間が長い」とされる全国建設業協会、日本建設業連合会なども含まれていることに注目する向きもある。今回の共同宣言で果たして長時間労働の是正が進むのか。各業界や会員企業の真価が問われることになる。

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