猪木議員と「北朝鮮同行」学者が指摘 安倍首相の国連演説「最後の5行」の重要性

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   2017年9月にアントニオ猪木参院議員と北朝鮮を訪問した武貞秀士・拓殖大大学院特任教授が10月11日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。武貞氏は、滞在先のホテルの売店に日本の物資が大量に売られていたことを紹介しながら、経済制裁が有効に機能していないことを指摘した。

   現在の圧力路線だけでは限界があるとの見方を示しながら、衆院選後には安倍政権が対話路線に転じる可能性があるとの見方を示した。そのカギは、安倍首相が国連総会で行った演説の「最後の5行」にあるのだという。

  • 記者会見する武貞秀士・拓殖大大学院特任教授
    記者会見する武貞秀士・拓殖大大学院特任教授
  • 安倍晋三首相が解散を表明した会見でも北朝鮮の労働力や資源に言及した
    安倍晋三首相が解散を表明した会見でも北朝鮮の労働力や資源に言及した

大量破壊兵器は「朝鮮半島全体を統一するための政治的道具」

   武貞氏は、核兵器をはじめとする北朝鮮の大量破壊兵器は「朝鮮半島全体を統一するための政治的道具」だとみている。北朝鮮が米東海岸を破壊できると威嚇し、米国に朝鮮半島問題から手を引かせることが北朝鮮としての落としどころだとの見方だ。そのため、単に圧力をかけるだけでは北朝鮮は核兵器の開発を断念しないと武貞氏はみている。

   武貞氏の説明によると、北朝鮮は同様の主張を繰り返すばかりでらちが明かなかったため、16年12月に日本政府と北朝鮮外務省や朝鮮労働党との直接対話は途絶えた。その上で、今後について次のように指摘した。

「安倍首相は北朝鮮との直接の接触をやめたようにも見えるが、私はそうは思わない。安倍首相の国連総会の演説の最後の5行を詳細に読んでほしい」

北朝鮮には「勤勉な労働力があり、地下には資源がある」

   安倍首相が9月20日(米東部時間)に国連総会で行った一般討論演説では、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を「独裁者」と呼びながら、「脅威はかつてなく重大で、眼前に差し迫ったもの」だとして、北朝鮮に圧力をかける方向で国際社会が結束するように呼び掛けた。一方、安倍首相は演説の最後の部分で

「議長、御列席の皆様、北朝鮮はアジア・太平洋の成長圏に隣接し、立地条件に恵まれています。勤勉な労働力があり、地下には資源がある。それらを活用するなら、北朝鮮には経済を飛躍的に伸ばし、民生を改善する途があり得る。そこにこそ、北朝鮮の明るい未来はあるのです。拉致、核、ミサイル問題の解決なしに、人類全体の脅威となることで、拓ける未来など、あろうはずがありません」

と呼びかけ、「北朝鮮の政策を、変えさせる」ための結束を改めて訴えた。

   安倍首相は9月25日に解散を表明した記者会見や、衆院選が公示された10月10日の「第1声」でも同様の発言をしている。武貞氏はこの部分のニュアンスを読み取るべきだとして、次のように見通しを語った。

「総選挙後は、北朝鮮問題は日本国内の政治問題では死活問題(バイタル)ではなくなるだろう。安倍首相は、拉致問題の協議のために北朝鮮との対話を考えるかもしれない。拉致問題の解決は、安倍首相の北朝鮮政策では最優先事項だ」

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