フジテレビは2017年10月16日、9月28日に放送したバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」30周年記念特番で、お笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明さん(55)が演じるキャラクター「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」が男性同性愛者を揶揄しているとの批判を浴びた問題で、公式サイトで「お詫び」文を公開した。「LGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております」としている。「制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分」フジテレビは、公式サイトの番組ページで「番組の放送に伴い、このキャラクター(編注:保毛尾田保毛男)に関して沢山の抗議を頂戴しました」とし、「番組は、LGBT等性的少数者の方々を揶揄する意図を持って制作はしておりませんでしたが、『ホモ』という言葉は男性同性愛者に対する蔑称であるとのご指摘を頂きました。そのような単語を安易に使用し、男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します。またこのキャラクターが長年に渡り与えていた印象、子供たちへの影響、およびLGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております」とお詫びの言葉を掲載した。「今回頂戴した様々なお叱りやご意見を真摯に受け止め、多様性(ダイバーシティ)のある社会の実現のために正しい知識を身に着け、より良い番組作りを進めて参りたいと考えております」としている。フジテレビがこうして公表した謝罪文に、番組側の姿勢を当初から批判していた、NPO法人フローレンス代表で作家の駒崎弘樹氏は16日、「ついにフジテレビが正式に謝罪文掲載。このケースからフジテレビが研修や第三者チェック等を導入し、多様性に配慮したメディアに、怪我の功名的に生まれ変わっていくことを、切に願っています」とツイッターでコメントした。BPO委は「バラエティの表現の自由の範囲内」インターネット上ではその他にも、「当然だよね」「フジテレビが公式サイトで謝罪したことは評価する。良いほうに変わっていきますように」とフジの対応を評価する声もあれば、「謝罪も反省も必要ないと思うよ」「コントとかお笑いまでも制限されては、面白いものが減って行く気がする」と違和感を示す向きもある。同番組の「保毛尾田保毛男」をめぐっては、視聴者からの批判が放送直後から相次ぎ、宮内正喜社長が放送翌日の9月29日、定例会見で謝罪した。一方では、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が10月13日、「保毛尾田保毛男」に「バラエティの表現の自由の範囲内」との見解を発表している。
記事に戻る