2017年の大晦日に放送された「ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」(日本テレビ系)をめぐっては浜田雅功さん(54)の「黒塗りメイク」が人種差別的だとして物議を醸した。これに加えてもう1つ、ネット上で波紋を広げている問題がある。タレント・ベッキーさん(33)に仕掛けられた「禊(みそぎ)タイキック」のドッキリだ。「ちょっと待って!!待って!聞いてない!」12月31日の放送で、ベッキーさんはココリコの田中直樹さん(46)に「タイキック」を仕向けるという役どころで登場。ところがその後、ベッキーさんへの「逆ドッキリ」が発表され、2016年の不倫騒動の「禊」として自らも女性ムエタイ選手からキックをお見舞いされることに。仕掛け人としての役目を終えて安心していただけに、ベッキーさんは「えっ!?ちょっと待って!!待って!聞いてない!」とパニックになり、「やだやだやだやだぁぁぁ!」と絶叫しながら部屋の中を逃げ回り出した。周囲に促され蹴られる姿勢をとりながらも、最後まで「私はもうすっきりしてるんです!」「こんな展開ないじゃん!普通!」「や!や!やややや!やだぁ!やだぁ!」と叫び続ける。しかし最終的にキックがお尻にヒットすると「いたぁい、やばいこれ...」と言って床に崩れ落ち、出演者陣はこれを見て爆笑。「全員OUT」となった。年明けの1月1日、ベッキーさんは自身のインスタグラムに番組関連の写真を投稿。新年の挨拶とともに「ちなみに私は元気です。笑ご心配なく!みなさまに笑っていただけることが、私にとっての幸せです」とつづった。ただネット上では「ベッキーの禊タイキックは笑う」「タイキック受けたのすごい」などと好意的な声が寄せられる一方、「今までテレビ観た中で一番胸くそ悪いわ」「もやもやがすごい」という否定的な声も目立った。他の「ガキ使」出演者も蹴られているので問題ない、の声もこうした賛否の盛り上がりは、ベッキーさんが6日深夜(7日未明)放送のFMラジオ番組「ミッドナイト・ダイバーシティー~正気のSaturdayNight~」(JFN系)で、「年末のバラエティ番組の代表格なので、バラエティタレントの私個人としては出演させてもらえて本当にうれしかったなって思います。仕掛け人として出ていったんですけど、そんな私が逆ドッキリされるというのもタレントとして本当にありがたかったなと思っています」などと「感謝」の思いを語ったことで、勢いを増すことなった。擁護する側からは、他の「ガキ使」出演者も蹴られていることを挙げてベッキーさんのケースだけを問題視することに疑問を投げかける声や、本人が「ありがたい」と話していることで完結している話だとする声も上がっている。「『こいつには何も言っても、やってもいい』といういじめの構造の複製」その一方で、「『ベッキーは番組出演に感謝してるじゃん』って言って蹴りを入れられた事を全く問題視しない人達、本人が告発すると仕事に支障が出るとか想像しないのか」「この問題は男性とか女性とかあるいはベッキーさん個人の問題ではなく、公共の電波で暴力があるいはいじめが堂々と放送されたことに問題があると思う」といった反論も続出した。千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏も8日、「ベッキーよ、タイキックに感謝するのはやめなさい」と題したブログ記事を公開し、「これはわかりやすい『こいつには何も言っても、やってもいい』といういじめの構造の複製そのものではないか。再起を図るにしても、別のやり方があるだろう」などと綴った。放送から1週間以上たっても余波が広がっている。
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