日本国内で起きた落書き事件が、中国でも報じられている。落書きが中国語や英語で書かれており、中国人の関与が疑われているためだ。中国当局は国外に出かける観光客のマナー向上を掲げているだけに、中国のネットでも「ブラックリストに入れるべきだ。もう国外に出るな」といった厳しい声が出ていることを伝えている。中国語や英語で「お誕生日おめでとう」落書きは十和田八幡平国立公園に指定されている青森県・八甲田山系の八甲田ロープウェーの山頂公園駅付近で発見された。樹氷や雪面にピンクの蛍光スプレーで、意味不明なアルファベットの文字列や、「お誕生日おめでとう」という意味の言葉も中国語と英語で書かれていた。落書きは2018年1月14日、スキーヤーからロープウェーの運営会社への通報で発覚した。落書きをしたのはカップルとみられる男女で、スキーヤーが注意しても聞かず、英語や中国語、日本語を話していたという。こういったことから、落書きをしたのは中国人だとの見方が広がり、中国共産主義青年団(共青団)の機関紙、中国青年報が1月18日、この事件を「恥ずかしい!」とする記事をウェブサイトに掲載した。記事では、日本のネット上で「もう日本に来るな」といった声があがっているとして、「多くの中国のネット利用者もニュースに怒っている」とした。「中国人旅行客のほとんど(ツアー客以外)が礼儀正しくしていた」記事で引用されたネット上の書き込みは「私たちは日本でルールを守っているのに、こういったことがあると台無しだ」「自分が日本に行ったときは、中国人旅行客のほとんど(ツアー客を除く)が、非常に礼儀正しくしていた」といった内容で、今回の事件は例外だと訴えたいようだ。「ブラックリストに入れてしまえ」という声もある。このブラックリストは「不文明行為記録」と呼ばれ、中国国家観光局が2015年3月から運用している。旅行先で起こしたトラブルの内容とともに実名がウェブサイトで公開され、18年1月時点では29人が登録されている。
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