2018年 12月 14日 (金)
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山中所長に「やめないで」の声続々 記者から「辞任」質問も出るが...

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   辞任する必要はない、やめるほうがむしろ損失だ――京都大学・iPS細胞研究所所員の論文不正問題をめぐり、矢面に立たされた山中伸弥所長への「応援」の声が相次いでいる。

   京大は2018年1月22日、iPS研に所属する特定拠点助教の論文に、捏造や改竄(かいざん)が含まれていたと発表した。

  • 山中伸弥氏(米国立衛生研究所、2010年)
    山中伸弥氏(米国立衛生研究所、2010年)

iPS論文不正で「辞職の可能性」報じたメディアも

   これによると、問題となったのは2017年2月、米国の科学誌「ステム・セル・リポーツ」に発表された論文だ。ヒトのiPS細胞を元に、脳の血管内にある細胞を作り出すことに成功した、とする内容で、これにより脳に作用する治療薬の開発や、病気のメカニズム解明に役立つと期待されていた。当時の新聞各紙でも、「ヒトiPSで脳の血管内皮細胞を再現 京大グループ、新薬開発へ期待」(朝日新聞、2月25日付朝刊)など、各紙が取り上げた。

   「信憑性に疑義がある」との情報が寄せられたiPS研が調査したところ、論文の通りのグラフが再現できないという事態に。17年7月に大学本部に通報が行われ、外部委員を含む調査委員会がチェックした結果、論文を構成する主要な図6個すべてに捏造や改竄が確認されたという。

   18年1月22日、iPS研所長として大学幹部とともに記者会見の場に立った山中伸弥氏は、マスコミから大量のフラッシュを浴びせられながら、深々と頭を下げた。

「取り返しのつかないことではありますが......大きく、心から反省しております」

と語る表情は、沈鬱そのものだ。さらに記者からは責任問題について、「(所長の)辞任も含めて検討?」と質問が飛ぶ。山中氏は即座に、「もちろん、すべての可能性を考えております」と応じた。

   この発言を受け、メディアの中には、

「京大iPS研で論文不正 図を捏造、山中所長は辞職も検討」(共同通信)
「京大iPS研で論文不正 山中所長 辞職の可能性も」(テレ朝ニュース)
「山中伸弥所長 辞職も含め『検討したい』 京大iPS研論文不正」(デイリースポーツ)

など、「辞職」の見出しを打つ動きも相次いだ(見出しはいずれもウェブ版のもの)。

志らく「辞任をあおるような言い方をしていますけども...」

   だが、このニュースが報じられるや、インターネット上では山中氏に「やめないで」の声が相次いでいる。

「願わくば山中所長が辞任しませんように。そんなことになったら、どれだけの損失を招くか、周りの人もマスコミも冷静に考えてほしい」
「山中教授が悪いみたいな感じのニュースになっていますが、あくまで組織の長として謝罪しているのであって、彼を辞任に追い込むのは早計でしょう。これで辞職して海外に行ってしまったら、日本は大きな宝を失う」
「山中先生が辞職する必要はない。共著でもない。末端のスタッフがやっただけ。捏造が疑われて、再度実験の上で捏造が明らかになったから、論文の取り下げ。記者会見。めちゃくちゃ丁寧な対応じゃないか。管理責任はそれで十分じゃないのかな?」
「山中教授が論文の査読をした訳じゃなし、あずかり知らぬ所で所員が論文を捏造しただけ。傘下の研究員の論文を全部チェックするなんて無理(自分の研究が出来なくなる)。監督すべき域を超えている。職を辞すような責任を取る必要は無い」

   山中氏はiPS細胞の開発により2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞、現在は自らの研究のみならず、趣味のマラソンなども通じて寄付を募り、後進の研究環境の整備にも尽力している。こうした事績から、山中氏には同情的な声が強い。

   落語家の立川志らくさんも23日、コメンテーターを務める「ひるおび!」(TBS系)で、

「もしこれで山中教授がおやめになったとしたらば、iPS細胞の研究は本当に白紙に戻りかねない。人類の損失になりますから」

と力説、また「辞任」の質問を飛ばした記者、またメディアのあり方にも問いを投げかけた。

「記者の人が辞任をあおるような言い方をしていますけども、記者の人だって『先生、こんなことでお辞めにならないでください』くらい言えばいいんですよ。メディアは辞めさせる力はあるけれど、辞めさせない力もあるわけですから」
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