奈良県内の町会議員が、某野党の国会議員らを名指しして「売国議員」「股裂きの刑にしてやりたい」などとフェイスブック(FB)に投稿し、批判を受けて削除した。この議員、どういう人物なのか。FBを確認すると、他にも気になる内容が見受けられ、なかなかのヘビーユーザーであることもうかがえた。「保守系の日本人の方のみ、友達募集しています」安堵町の増井敬史町議(59)は2018年1月20日、ある女性の野党国会議員の名前を明記して、「売国議員」だとして「正にはらわたが、煮えくりかえる!」「両足を牛にくくりつけて、股裂きの刑にしてやりたい!」と書き込んだ。また、かつて政府要職を務めた男性の野党国会議員に対しても、「ポアしてほしい」と、オウム真理教で「殺害」の意味で使われた言葉で批判的に取り上げた。こうしたFB内容に対してはネット上で批判が出て、町や町議会の幹部らが23日までに本人へ事情を聞いた。増井議員は内容を削除した。23日夜から24日にかけ、共同通信やNHKなどが報じた。増井議員は、TBS系ニュースネットワーク(JNN)の取材に対し、「議員は公人であると自覚がなく、FBが世界に発信しているということで、一般人の感覚でしか捉えていなかった」(24日放送)と答えた。番組によると「涙を流しながら」謝罪した。増井議員は、自身のFBや町の公式サイトなどによると、2015年の町議選で無所属で初当選。仕事は農業で「米作りも」している。FBは17年4月から始め、「保守系の日本人の方のみ、友達募集しています」とアピール。出身高校として、大阪市内の高校名をあげている。直近のFBをみると、削除対象となった更新が含まれる20日で残っているものは、評論家の講演会の紹介など2件だったが、19日には9件、18日には10件の更新があり、更新以外にも「写真の追加」やシェア、コメント内容の報告なども結構な数にのぼる。未明の2時、3時や早朝の5時台の作業も目に付く。「民進党の議員の能力が著しく劣っているからです」19日の更新では、東日本大震災(2011年)の際の当時の民主党政権の対応を批判する内容のブログ引用などを2000字以上にわたってたっぷり紹介。中には「菅政権は東電が原発を爆発させたという偽ニュースを報道させ、国民のほとんどがこの嘘を信じた」といった記載もあった。18日には、「ねずさんのひとりごとより」として、「日本がおかしくなりはじめたのは、そうした皇民教育を受けない戦後世代が、社会の中核を担うようになったからのことです」などと2500字以上の長めの「論考」を載せている。他にも、『売国議員』(カミカゼじゃあのwww、青林堂)をアマゾンで買ったので「順次、要約を投稿します!」といった投稿や、「中国は、日本の国難に乗じて、侵攻しようとしとは、恐ろしいですね」「私は嫌韓です」「民進党の議員の能力が著しく劣っているからです」「工作員による、日本の歴史を捏造・自虐史観を刷り込みする戦略が進められていると考えるべきだと思います」と、増井議員が書き込んだコメントなども確認できる。韓国や共産党、NHK、朝日新聞などをバッシングするような画像の転載や、他にも、安倍晋三首相のFBをそのまま紹介する更新もあった。共同通信の23日記事によると、増井議員は今回の「売国議員」投稿について、「言葉のあやだ。自分の投稿にファンがいて興奮して書いた」と回答している。
記事に戻る