2018年 9月 24日 (月)

生鮮品ネット販売、競争激化 生き残りの決め手は?

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   コンビニエンスストア大手のローソンは2018年3月、スマートフォンで注文した野菜などの生鮮食品を店舗で受け取れる新しいインターネット通販サービスを東京都や横浜市などの一部地域で始めた。朝注文すれば、その日のうちに購入できる。生鮮品のネット通販は小売り大手やネット通販事業各社が続々と新サービスを開始しており、顧客争奪戦が激しさを増しそうだ。

   ローソンのサービス「ローソン フレッシュ ピック」は、利用者がスマホの専用アプリからその日の朝8時までに商品を注文すると、18時以降、好きなローソンの店舗で受け取れるもの。野菜や果物のほか、精肉や豆腐などの食品のみ約500種類を扱う。東京都世田谷区や渋谷区などの約200店舗で始め、エリアを順次、首都圏に広げ、最終的には全国で展開する方針だ。

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リアル店舗を受け取り拠点に

   その最大の特色は、リアルの店舗を受け取り拠点として生かした点と言える。通常の宅配の場合、自宅にいなければ商品を受け取れないが、このサービスを使えば、帰宅時などに最寄りの店舗で受け取ればよく、自宅で待機している必要もない。「働き方改革」が進む中、女性たちの炊事時間などが減っているとされており、働く女性たちにとっての利便性は高そうだ。

   生鮮品は日々の食事に必要なうえ、買い置きもそうはできない。このため、数週間や数か月に1回買えば済むようなシャンプーやトイレットペーパーなどの日用品、本や家電などに比べ、買い物回数が多くなる。ユーザーが生鮮品を購入するため毎日、ネット上でサイトを開くようになれば、ついで買いを含め、買い物の機会は増すとみられており、各社は今、こぞって生鮮品宅配の強化に動き出している。

   ネット大手アマゾン・ドット・コムは2017年4月、有料のプライム会員向けのサービスとして、生鮮品の宅配サービス「アマゾン・フレッシュ」を都内の一部で始め、その後、対象エリアを首都圏に広げている。注文から最短4時間で宅配するというスピードの速さを武器にしている。

市場は拡大するとみられるが...

   セブン&アイ・ホールディングスはアスクルとネット通販事業で提携し、2017年11月から生鮮品の宅配サービス「IYフレッシュ」を都内の一部で始めた。傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂で扱う商品を、アスクルの通販サイト「ロハコ」のシステムに乗せて宅配する仕組み。ネット通販のノウハウを持つアスクルはきめ細かい配送サービスを手掛けており、IYフレッシュはこのノウハウを活用し、受け取り時間を1時間単位で指定できるようにしている。2020年秋には首都圏に広げる計画だ。

   楽天も米小売り大手ウォルマート・ストアーズと提携し、今夏にもウォルマート傘下の西友と共同で「楽天西友ネットスーパー」を始める。

   生鮮品は仕入れや取り扱いが難しく、ネット通販での展開は難しいとされてきた。だが各社は店舗運営のノウハウを生かしたり、提携などで相互に強みを活用したりしながら、独自色を出そうとしている。生鮮品のネット通販市場は今後、拡大するとみられるが、「日本の消費者の目は世界一厳しい」(業界関係者)とも言われる。事業拡大はそれほど簡単とは言えず、各社は工夫をこらし続けることになるだろう。

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