2018年 7月 23日 (月)

北朝鮮「核実験場廃棄」表明、トランプ舞い上がっても日本が冷ややかな理由

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   北朝鮮は2018年4月20日、重要政策などを決める朝鮮労働党中央委員会総会を開き、「核の兵器化の完結が検証された」として、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を中止し、北朝鮮北部にある核実験場を廃棄することを決めた。国営メディアが4月21日に報じた。

   今後核兵器を使用しないことも表明したものの、「わが国家に対する核の威嚇や核の挑発がない限り」という前提つきだ。廃棄を表明したのは「実験場」で、「製造施設」への言及はない。核兵器は引き続き保持・製造するとも読める内容で、日米韓が求めている「完全かつ検証可能で不可逆的な方式の非核化(CVID)」とは大きな隔たりがある。近く行われる南北、米朝首脳会談で、この点をどの程度まで詰められるがポイントになりそうだ。

  • ICBMの発射と核実験の中止は決めたものの...(写真は労働新聞から)
    ICBMの発射と核実験の中止は決めたものの...(写真は労働新聞から)

核開発と経済建設の「並進路線」を転換

   北朝鮮は13年の中央委総会で、核開発と経済建設の「並進路線」を打ち出し、17年にICBMの発射に成功したとして「国家核戦力の完成」を宣言していた。総会では、金正恩委員長が

「国家核戦力の建設という歴史的大業を5年未満の短期間に完璧に達成した奇跡的勝利は、朝鮮労働党の並進路線の偉大な勝利」

だとして、並進路線を終了し、経済成長に重点を置くことを表明。

「核の兵器化の完結が検証された条件の下で、今やわれわれにいかなる核実験と中・長距離、大陸間弾道ロケット試射も不用となり、それによって北部核実験場も自己の使命を果たした」

などと述べた。

 

   その上で、「核の兵器化を頼もしく実現した」として、4月21日から核実験とICBMの発射を中止し、「核実験の中止を透明性あるものに裏付けるため」に、「北部核実験場を廃棄する」ことを決めた。

「わが国家に対する核の威嚇や核の挑発がない限り核兵器を絶対に使用しないし、いかなる場合にも核兵器と核技術を移転しない」

とも宣言した。

トランプ氏「大きな前進」、小野寺氏「満足いくものではない」

 

   ただ、北朝鮮が「核の威嚇や核の挑発」を受けたと判断すれば核兵器を使用する余地を残しているのに加えて、今回の決定では、核実験に使用された核物質を製造したとされる寧辺(ニョンビョン)の施設に関する言及もない。加えて、中止を表明したのはICBMの発射のとどまり、「ノドン」をはじめとする、日本が射程に入っている短距離・中距離ミサイルにも触れていない。

 

   こういったことを背景に、日米の受け止めは対象的だ。トランプ大統領は、ツイッターで

「大きな前進。首脳会談を楽しみにしている」

と歓迎する一方で、訪米中の小野寺五典防衛相は、短距離・中距離ミサイルの言及がないことから

「私どもにとっては満足いくものではない」

   と述べた。

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