2024年 4月 19日 (金)

舞台女優セクハラ告発、演出家が謝罪 「演技に通じるという言葉を信じて...」

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   「芝居に必要なことだ」と伝えられ、キスを強要された。ホテルに誘われたこともあった――。舞台女優が、所属していた劇団の代表男性から受けたセクハラ行為をブログで告発した。

   代表は、自らの劇団で脚本・演出も担当していた。女優はブログに、「芝居をこのような行為に利用され、(中略)悲しく悔しい思いでいっぱいです」との思いを吐露している。

「芝居に必要なことだと伝えられ...」

   今回、セクハラ被害を告発した相手は、関西を中心に活動する劇団で代表・脚本家・演出家をつとめる男性だ。

   女優は18年4月29日、退団をツイッターで発表。その翌30日のブログで、劇団を辞めることを決めた理由について、代表からのセクハラ行為が原因だと明らかにした。

「抱きしめる、キスをする等のセクハラ行為を受けていました。本番期間中、ホテルに誘われたこともありました。芝居に必要なことだと伝えられ、作品の主演という立場もあり、私はその時拒否をすることができませんでした」

   ブログでは、2人きりの車の中で代表から抱きしめられたり、何度かキスをされたりしたと具体的に説明。その上で、

「不快に感じましたが、演技に通じるという言葉を信じてその時の私は受け入れてしまいました」

とも振り返っていた。こうしたセクハラ行為は、未遂のものも含め17年秋頃から続いていたとも報告。最近では、他の劇団員や関係者がいる場で「好みだ、好きだ」などと公言する機会もあったという。

稽古中の「暴力」告発も

   こうしたセクハラ行為を拒否できなかったことについて、女優は「自分にも非がある」とも記載。ただ、

「芝居をこのような行為に利用され、また信じてついてきた劇団の代表に役者としてだけでなく女性としても利用されていたのではないかと感じ、悲しく悔しい思いでいっぱいです」

とやりきれない思いも吐露していた。

   代表の行動を告発したのは1人ではない。

   女優と同じ29日に退団を発表した俳優も、翌30日のブログで、代表が稽古中に出演者に暴力を振るったり、先輩の役者に後輩を殴るよう指示をしたりしていたなどと訴えたのだ。

   この俳優は、女優へのセクハラ被害についても言及。こうした代表の行動が「心底許せず」、退団を決めたと伝えていた。

   ただ、30日深夜のツイッターで、「先ほどアップしたブログは個人攻撃が過ぎるのではないかというご指摘を受け非公開と致しました」と報告。公開から2時間ほどで、代表を告発するブログを削除していた。

「演出家として取るべき行動を逸脱しておりました」

   こうした2人の告発を受けて、代表は5月2日に劇団の公式サイトに謝罪文を掲載した。

   まず、女優へのセクハラについては、「そのように受け取られる行動はございました」。舞台の稽古を円滑に進めるに当たっての「問題解決の為」に取った行動だったと釈明しつつも、

「演出家として取るべき行動を逸脱しておりました。私の未熟さ並びに不徳の致すところでございます。本当に申し訳ございませんでした」

と謝罪した。

   また、俳優が告発した稽古場での暴力行為についても、アクションに不慣れな役者に体の使い方を教えるための行動だったとした上で、「臀部や腹部を蹴る・殴るということがございました」と認めた。

   続けて代表は、役者たちにも意図を説明し、安全を確認した上で実施していたと説明しつつ、「配慮が足らなかったと思っております。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

   このように、2人の告発について大筋で事実を認めた上で、代表は「自身の未熟さや認識の甘さを重く受け止めております」。劇団のファンや関係者に対し、「本当に申し訳ございませんでした」と改めて謝罪していた。

   なお、今後の活動については、すでに稽古が始まっている5月の舞台を除いて、18年度に予定していた公演を「全て中止とさせていただきます」と報告。5月の公演については、劇団内で協議した上で対応を決める予定という。

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