2024年 4月 20日 (土)

「サッカーはファンを幸せにしない」英大学の研究 ではなぜ見続けるのか

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

   英サセックス大学が2018年4月23日、ウェブサイトで発表した研究成果のタイトルは「サッカーはファンを幸せにしない」だった。

   研究では、「敗北後にサッカーファンが感じる痛みは、勝利の喜びの2倍以上」、つまりサッカー観戦を続けることによる影響は、長い目でみれば「はるかにネガティブ」なのだという驚きの結果を示している。

  • イングランド最大級のサッカー場「ウェンブリー・スタジアム」。収容人数は約9万人。
    イングランド最大級のサッカー場「ウェンブリー・スタジアム」。収容人数は約9万人。
  • イングランド最大級のサッカー場「ウェンブリー・スタジアム」。収容人数は約9万人。

3年間で3万2000人から合計300万の回答を収集・分析

   研究チームは、質問への回答でユーザーの「幸福度」を数値化するスマートフォンアプリ「Mappiness(マッピネス)」を使い、3年間で3万2000人から合計300万の回答を収集し分析。アプリは、ユーザーがどう感じているか、何をしているか、などを定期的に尋ねた。回答と試合結果を組み合わせることで、ファンの試合中・試合後の心情を把握した。

   すると、サッカーファンでいることの影響は、長い目でみれば「はるかにネガティブ」であると示されたという。平均して、ファンの幸福度は「勝利」から1時間後に3.9ポイント増したが、2時間後には1.3ポイント、3時間後には1.1ポイントにまで落ちた。一方で「敗北」の場合、幸福度は1時間後に7.8ポイント低下し、2時間後は3.1ポイント、3時間後にも3.2ポイント低下をしていた。なお、「自宅」よりも「現地」で観戦していたほうが幸福度の上下動が大きくなる。

   同大の行動経済学者で、今回使ったアプリの開発者でもあるジョージ・マッケロン博士は「ほとんどのファンはサッカーが人々を幸せにすると言うが、このデータは異なる。サッカーの試合は平均して、人の幸福にとって圧倒的に負の影響があると示している。喜びより痛みが増すにもかかわらずチームの応援を続けることは、経済学的にみれば非合理的だ」との分析を発表文で示している。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中