2018年 6月 18日 (月)

内田正人「正直」27連発のワケ 臨床心理学者「普段から正直でないことの...」

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   日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督は、緊急会見で「正直」という言葉を何度も使った。J-CASTニュースが確認できた限りでは27回。なぜこんなにも繰り返したのか。

   臨床心理学者で一般社団法人「こころぎふ臨床心理センター」センター長の長谷川博一氏(59)は、「普段から正直でないことの表れです」と見解を述べる。さらに、内田氏らが繰り返したある言葉にも注目した。

  • 緊急会見した内田正人前監督(右)と井上奨コーチ
    緊急会見した内田正人前監督(右)と井上奨コーチ
  • 質問に答える内田前監督
    質問に答える内田前監督
  • 質問に答える井上コーチ
    質問に答える井上コーチ

「100%嘘の場合、『正直』という言葉は使えません」

   内田氏は井上奨コーチとともに2018年5月23日夜開いた緊急会見で、日大の選手が関西学院大学の選手に危険なタックルをしたことについて自身の指示ではなかったと述べ、その後の対応に関する質問にも答えた。約2時間の会見で内田氏の口から何度も発せられたのは、「正直」という言葉だ。

「僕はボールを見ていてプレーしていた宮川選手のところを残念ながら見ていないのが正直なところです」
「あの(試合の)時は正直言いまして、資格没収という大きなペナルティがあったので、僕の責任、選手が言われるより僕が批判を受けようと、僕が悪いんですというのを前面に出しました」
「ルールの中で全て行うのが基本と考えてますので、まさかああいう(関学選手が全治3週間のケガを負う)ことになってしまうというのは、正直予想できませんでした」
「私のほうに、『ネットにこういう(タックルした場面の)ビデオが出てます』と報告がありました。『なんで?』というのがその時の正直な気持ちです」

   J-CASTニュースが確認した限りでは、その数27回。井上コーチも複数回にわたって使っており、会見をみていたツイッターユーザーからは「あの『正直』挿入は釈明にどう言うニュアンスを加えてるつもりなんだろう」「内田前監督も井上コーチも、答弁の中で『正直、〇〇』という枕詞を頻発」と気に留める声が複数あがった。

   これほど連発した内田氏はどのような心理状態だったのか。臨床心理学者で一般社団法人「こころぎふ臨床心理センター」センター長の長谷川博一氏は、24日のJ-CASTニュースの取材に、

「『正直』と言うのが内田さんの癖である可能性があります。ああいう場では心労もあって言葉を制御する力が緩み、つい本音が出てしまいます。そして、癖だとすれば、それは普段から正直でないことの表れです。

話している内容に少しでも真実の部分が入っていれば、強調したいので『正直』と言いたくなります。逆に100%嘘の場合、『正直』という言葉は使えません」

と話す。

そもそも会見は「正直」に言うのが前提では?

   一方、会見の場で「正直」という言葉を使うのは「不適切です」とも話す。

「そもそも会見で事の経緯を説明する場合、『正直』に言うのが前提です。前提のことをあえて念押しのように言う必要はありません。会見の趣旨を分かっていない」

   これは、タックルした日大選手が22日に開いた会見での話し方と「対象的です」という。

「学生は『正直』という言葉をほとんど使っていなかったと思います。前提を守っているということです。それに、質問に対して同じ回答が少なく、その場で考えて答えていました。

しかし内田さんの場合、その場で考えながら答えるということがあまりなく、決まったフレーズの繰り返しになっていました。これは、後ろめたい部分があったのは自覚しながら、それを出さずに自分の結論だけを言いたい心理だと考えます」

「彼のために」の言葉に見る「虐待の構図」

   内田氏と井上コーチもしきりに使っていた「彼のために」という言葉にも着目した。「彼のために次につなげようと考えていた」「彼のためにという思いだけでやっていた」「育てる、発奮させるため、愛情もって」――。こうした2人の言葉に、長谷川氏は「厳しいことを命じながら『彼のため』というのは、後ろめたさがある時の、専門用語でいう『合理化』(防衛機制のひとつ)が働いています」としたうえで、

「恐怖を用いた支配関係を築いており、まさに虐待の構図です。学生をコントロールする意図が見え、そこに信頼関係は生まれません」

と話す。さらに、

「DVですごく多いです。『ちゃんとできない君のためにやっているんだ』。やりすぎの心理を合理化しているのです。これをスポーツの指導の中で言われると、学生は本当に自分を思ってくれていると信じ込んでしまう。逆に期待に応えられない自分がいけないと責めてしまいます。虐待被害者の心理と同じです」

と危険性を指摘していた。

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